本日10月17日(水)、新横浜ラーメン博物館に「逆輸入ラーメン」の第五段となるカナダ・トロントの人気店「RYUS NOODLE BAR」が出店・オープンした。
逆輸入ラーメンはこれまで、アメリカやドイツ、イタリアなどがあったが、カナダからは初。カナダにラーメンが上陸したのは1989年。当時は日本人相手にラーメンを販売していたようだが、2010年に山頭火がバンクーバーに進出した頃から一転。ラーメンブームが巻き起こり、現在では約150軒のラーメン店がカナダにあるという。トロントには約50店舗とカナダ全土のうちの1/3を占める激戦地区。その中において「RYUS NOODLE BAR」は人気店の一つ。
店主の高橋氏は、日本の飲食店で6年働いた後、2009年にバンクーバーへ留学。そこの飲食店で働き永住権を獲得した後、トロントに移り住み「RYUS NOODLE BAR」を開業した。高橋氏が求めるラーメンは「カナダ人が好む味覚の本格ラーメン」。カナダ人は甘さや辛さがはっきりした味が好まれ、特にメープルシロップに代表される甘い味が大好きだという。しかし、砂糖で甘さを出したのではカナダ人には受けても、日本人には合わない。どちらの味覚にも合うように研究した結果、野菜を中心とした食材が持つ甘さを活かすことで、どちらの人が食べても美味しいと思えるラーメンに仕上げたという。
スープは鶏白湯。これは宗教上の理由で豚肉を食べない人のために、鶏を使ったという。また来場する客の2割がベジタリアンのため、野菜スープの味噌ラーメンも提供しているという。
看板は「RYUS 鶏白湯ラーメン」(900円)。麺は中細のストレートで、ミネラル豊富な全粒粉を使用。具材は鶏の低温チャーシューと豚バラ、ルッコラ、メンマ、白きくらげ、ゴマ、そしてチャーシューの上にレモンゼストが添えられる。
まず驚くのは鶏白湯スープの粘度。ここまで濃厚なものは珍しい。麺を持ち上げればスープも一緒にやってくる。これは「食べるスープ」だ。塩味のラーメンで、甘いってどんな味なのかというと、簡単に言えばバーベキューソース。しかし、そこまで甘さはなく、フルーティーでしつこさはないし、キレがある。これは鶏スープそのものにもいえ、臭みがないのはもちろんのこと、濃厚なのに後味がスッキリしているのだ。このRYUS NOODLE BARの鶏白湯スープよりも粘度が低いにも関わらず後味のキレが悪く、途中で水を求めるスープは多いが、この後味の良さは格別。そして小麦の香りが漂う上質な細麺に時折、きくらげが絡み、食感にアクセントを加える。これは間違いなく旨い! 鶏の低温チャーシューもラーメンスープとの相性バッチリ。豚バラはホロホロと崩れるほどの柔らかさ。ゴマの香りもふんわり漂う。
さて。ラーメンという食べ物はどうしても単調になりがちなので、店には、辛さだったりを追加して味変を楽しむ、トッピングが用意されている。このRYUS NOODLE BARにもトッピングが用意されている。それが自家製スモークメイプルバター(150円)。カナダ産メイプルシロップをバターと併せてスモークしたというそれをラーメンに加えると……さらに濃厚な味と甘さが引き立つ。このアイデアには脱帽だ。
同店には、西京味噌の鶏白湯ラーメンや、カリフラワーポタージュのベジ味噌ラーメンがある。カナダの味覚と日本の食文化の融合、ぜひ一度訪れてみてはいかがだろうか。
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