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【連載】遊び逃している名作ゲームはありませんか?『Tesla vs Lovecraft(テスラVSラヴクラフト)』歴史的天才vs鬼才の狂気をはらむ頂上バトル!/ゴールデンゲームハンマー第31回

高周波・高電圧を発生させる共振変圧器「テスラ・コイル」のほか、無線操縦や蛍光灯も発明し、磁束密度「テスラ」の単位にその名を残したことでも知られる電気技師にして発明家「ニコラ・テスラ」。


怪奇小説の先駆者にして、死後、自らの小説に登場した異形の神々たちを基に構築された架空の神話体系「クトゥルフ神話」の起源として崇められるようになった小説家「ハワード・フィリップス・ラヴクラフト」。



今回はそんな2人の対立を描いたアクションシューティングゲーム、その名も『Tesla vs Lovecraft(テスラVSラヴクラフト)』をピックアップする。


◆電気技師VS小説家!空前絶後の激突を描くアクションシューティング!?


「ちょっと何言ってるか分からない。」


思わず、そう言いたくなったかもしれないが、ツッコミは認めず紹介へ移る。


本作は2018年1月26日、PC(Windows、Mac、Linux)用ゲームソフトして、「Steam」でリリースされた作品だ。開発は『Crimsonland』、『Neon Chrome』などのアクションシューティングを多く制作している「10tons Ltd」。PC版の約9ヵ月後にはスマートフォンへの移植も行われ、先にiOS、続く形でAndroidでリリースされた。配信形態としては買い切り型。ただ、一部”科学のための”課金要素が存在する。なんのこっちゃだが、文字通りということで、詳細は言わずにおこう。

科学のためなら、未来への投資以外の何物でもないではないか。


ちなみにPlayStation 4、Xbox One、さらにはNintendo Switch版もある。

残念ながら、日本では未発売だが、PC、スマホ版も含め、どれも日本語に対応。英語はダメな方にも門戸が開かれているので、いざとなれば突撃も一興だ。

科学は来るもの拒まずである。



さて、このような本作の主人公を務めるはニコラ・テスラ。

かの「テスラ・コイル」を使った公開放電実験を実施する彼であったが。



「お前は決して理解できない力に干渉しようとしている!」


……などとのたまう謎の男が乱入。

すぐ警備員に捕縛され、実験会場から追放される。

男の名は「ラヴクラフト」。

警備員いわく、無害なフィクション作家である。



……あるのだが。



実験後の夜、ラヴクラフトが遣わし名状しがたき怪物がテスラの研究所を襲撃。

発明品の数々が強奪されてしまう。

この事態にテスラは銃火器片手にその後を追う。

かくして、電気技師VS小説家の戦いの火ぶたが切って落とされたのだ!


数多くの謎めいた情報が飛び出したが、例によって細かい説明は割愛である。

これも科学の成せる業。天才しか理解できない設定なのだ。



そして肝心の内容は、見下ろし視点のフィールドを舞台に襲い来る名状しがたき怪物どもを銃火器で倒しまくアクションシューティング。最終的に敵を全滅させればクリアのトリガーハッピー系ゲームである。


(※Xbox360コントローラの場合)左スティックで移動し、右スティックで狙いを定めてRTトリガーボタンを押して弾丸を放ち、怪物どもを掃除していけばよい。だが、怪物は数の暴力でテスラを襲撃。下手に隙を作れば、一瞬のうちに連続ダメージを喰らう羽目になる。



この状況を打破するため用意されたのが、科学が生み出し超次元アクション「量子テレポート」!対応するボタンを押せば、テスラ本人が量子化し、敵や壁などをすり抜ける高速ダッシュを決められる。回数も無限だ。しかし、連続して使えるのは3回まで。また、テレポートで潜り抜けても、怪物達はしつこくテスラをストーキングしてくる。なので、壁や障害物を活用し、分断させるのを意識して使っていくのが基本となる。



また、怪物たちを倒すと経験値を取得。一定量溜まるとレベルアップし、テスラのステータスを強化する「パーク」を選択可能になる。選べるパークは攻撃力アップなどの基本的なものを始め、自動回復機能解禁、8秒単位で稲妻を落とす、テスラ周辺に放射能を漏えい(!)させると言った科学の英知を結集したものまで幅広く用意。ゲームが進むと、選べるパークの数も増え、より多彩なパワーアップが可能になる。こんなRPGチックなシステムも用意されており、怪物たちとの戦闘に華を添える。



さらにステージ内には銃火器、回復アイテムのほかにメカのパーツが配置される。これを一定量回収すると、テスラの伝説的な発明品「テスラメカ」が完成。そのまま起動ボタンを押せばテスラがメカに搭乗し、一定時間、両腕に備えられたバルカン砲で怪物たちを一斉掃討するボーナスタイムに突入するのだ。起動のタイミングによっては窮地を脱する切り札としても活躍。特に一部のステージで用意されたボス戦でこの展開を作り出せれば、まさにトリガーハッピーな快感を味わえる。



ほかにパワーアップ絡みでは、怪物を倒した数が一定量に達することで与えるダメージ量が上昇するシステムも実装。その際にボーナスで得られる「エーテルクリスタル」を消費し、テスラに新たな科学の力を発現させる強化要素も用意されている。


基本的な遊びは怪物の群れを銃火器と科学の力で相当する、シンプル・イズ・ザ・ベストでゴリ押し一点豪華主義のもの。しかし、RPG由来のシステムとテスラの天才的な頭脳がいかんなく発揮された攻撃手段の数々によって、独自の個性を持ち合わせたアクションシューティングゲームに完成されている。まさに科学と天才、そして怪奇のコラボレーション作である。


そこ、頭が痛くなってきたとか言わない。

「頭痛が痛い」と言い換えればいい訳じゃない。


◆本作の魅力:科学の力は偉大なり!


◇天才と鬼才がぶつかり合う狂気のストーリー

あの「テスラ・コイル」を始め、無線操縦の技術に蛍光灯を発明した天才テスラと、クトゥルフ神話の起源とまで謳われる鬼才ラヴクラフトが科学と怪奇の力を全投入してぶつかり合う。

もう、この時点でおなかいっぱいになってしまうインパクトがある。

このゲームの制作陣は気でも触れたか、と言いたくなるかもしれない。



しかし、2人の歴史などをひも解くと意外に理に適った設定だったりする。

例えばラヴクラフトは自身の著作『時間からの影』で驚異的な科学力を持ち、人類には改名不能な原理で作動する電気銃を扱う旧支配者「イースの大いなる種族(またはイスの偉大なる種族)」なる存在を登場させている。彼らは互いに精神を交換する装置を使い、時間と空間を超越する能力をも持ち合わせており、ラヴクラフト自身が電気分野への畏れを抱いていたことを微かに察せる。



テスラも発明品の数々もあって天才の名が知れ渡っているが、その裏で他の惑星の知的生物(宇宙人)との交信を試みようとしていたほか、晩年はオカルトに傾倒していたとの逸話もある。特に宇宙人の件に関しては、実際にそのことを検証したドキュメンタリー番組も制作されているほどだ。また、「クトゥルフ神話」はいわゆる宇宙的な恐怖をテーマにした架空の神話体系でもある。



それらの背景を踏まえると、ひょっとしたら本当に対立していたかも……と思える説得力があるのだ。制作陣、実は結構まともなのでは、と思える仕上がりなのである。(※実際、本当に考えたらしい)


ただ、ストーリー本編はそんなに濃くない。大きな展開は序盤と終盤にある程度だ。天才と鬼才の常人には理解しがたい会話の数々が繰り広げられる……みたいな内容に期待すると肩透かしを喰らうので注意されたし。


◇設定とは裏腹のトリガーハッピーなゲームプレイ

こんな歴史上の背景も感じさせる設定ながら、肝心のゲームプレイは名状しがたき怪物どもを一網打尽にする豪快な作りで、あらゆる意味で裏腹すぎる仕上がりになっている。



爽快感も申し分なし。特に「テスラメカ」のバルカン砲で大量の敵を一気に始末していく過程は、力押しここに極まりと言わんばかりの気持ちよさに富んでいる。しかも、基本的にどのステージも「テスラメカ」に搭乗した段階から始まるので(※厳密には序盤、テスラ単体からスタートし、途中からメカ搭乗からのスタートに統一される)、始まって早々、トリガーハッピーな快感に浸れる設計。


とは言え、基本はテスラ本人を操作しての戦いが主となる。ただ、その時にやることもひたすら怪物どもを倒し続けるだけ。色んな意味で、天才がそれでいいのかと言いたくなる気持ちにさせられるかもしれない。


ただ、数多くの天才的発明品を駆使して戦う過程にはそれらしさ満点だ。特に武器はゲームが進む度に異様な武器が選べるようになっていくので、嫌というほどテスラの天才的な頭脳を思い知らされるはずだ。



ちなみに大量の敵を一掃する「ボム」に属する武器も用意されている。

その名も「核」!!


……いや、さすがにそれはどうかと思います。


◇シンプルなゲームプレイに奥行きを与えるRPG由来のシステムの数々

本作のステージはほとんどが怪物の大群一掃に終始する、悪く言うとワンパターンな構成だが、特にレベルアップのたび、2種類の「パーク」を選択してテスラの強化を図る過程が面白い。ここで何を選んだかによって、その後の難易度や戦い方に大きな変化が生じ、先の読めない展開を演出する。



また、敵を一定量倒すとその敵に与えるダメージ量が増えるシステムも興味深い仕上がり。あるステージがクリアできないから、他のクリア済みステージで怪物に与えるダメージを上昇させるため討伐を繰り返す……みたいに、RPG感覚でプレイヤー強化を図れるのには、その種の繰り返しプレイが好きな人には刺さること間違いなしだ。



▲敵の種類も豊富。どれもクトゥルフ神話に登場する面子だ。


◇1プレイ5分以内で決着するテンポの良さと膨大なボリューム

各ステージは長くても5分以内には決着する構成に加え、ストーリーに関連したイベントが挟まれたりすることもないので、非常にテンポがいい。今日は1ステージだけサクッと遊ぶ……みたいなつまみ食いプレイにも全対応している。



それでいて、ボリュームは大きい。ステージ総数は34、しかもクリア後にはよりパワーアップした怪物たちを相手にし、さらなるストーリーを体験する2周目も解禁される。全部をクリアするとなれば3周必須のだ。なので、やり切るとなると結構大変。


悪く言うと同じことの繰り返しゆえに辛さも多少あるのだが、RPG由来のシステム、2周目以降の特典である「エーテルクリスタル集め」などの新要素などで新鮮味を演出している。ストーリーにも大きな展開が用意されているので要チェックだ。


◆サイエンスとマッドネスの頂上決戦がここに!?


ちなみに本作はPC版に限らず、iOS、Android版、そして海外のみで配信中の家庭用ゲーム機版も全て日本語に対応している。字幕の台詞、メニューやパーク関連の解説テキストの翻訳もちゃんとしているので、素直に遊べる設計だ。



操作もPC版はXbox360コントローラを始めとするゲームパッドのほか、キーボード+マウスにも対応。スマートフォン版はバーチャルパッドでの操作になる。いずれも良好な手触りで、ゲーム本編にも操作や戦術をガイドしてくれるチュートリアルが備わっているので、この手のアクションシューティングを初めて遊ぶプレイヤーにも優しい。射撃は弾数無制限ながら一定量放ち終える度にリロードが発生する仕組みのため、やや慣れが必要とされるが、遊んでいく内に馴染んでいく仕上がりだ。


一瞬でも隙を見せれば怪物の総攻撃を受けて窮地に陥りやすい、パークの種類によってはその後の成否が左右される、武器の早期取得とメカの完成が最優先されがちなど、ゲームバランス周りには大雑把な所も見受けられるほか、スマートフォン(及びタブレット)版を意識した関係で、ちょっとメニュー周りの使い勝手が良くないなどの欠点もある。



ただ、伝説的な天才電気技師と怪奇小説のパイオニアが雌雄を決する設定だけでも強烈な魅力があるほか、ゲーム本編もRPG由来のシステムによってリプレイ性の高い内容に完成されている。残念ながら、日本国内では家庭用ゲーム機版の入手ハードルが高い関係で、PC版かスマホ・タブレット版に限定されるのだが、少しでも興味があればぜひ、挑戦してみていただきたいゲームだ。まさか過ぎる2人の死闘を最後の最後まで見届けよう。その先にアナタは名状しがたき何かを見る!?



なお、本作は続編『Tesla Force: United Scientists Army』の発売が予定されている。基本的なシステムはそのままに、ローグライクスタイルの新モードを収録。さらに新キャラクター「キュリー夫人」と「メアリー・シェリー」の2人も参戦!もはや色々収拾が付かなくなってきたサイエンスとマッドネスのさらなるカオスを見逃すな!?


【ゲーム情報】

タイトル:『Tesla vs Lovecraft(テスラVSラヴクラフト)』

発売元・開発元:10tons Ltd

対応ハード:PC(Windows、Mac、Linux)、iOS、Android

ジャンル:アクションシューティング

価格:1,480円[税込](PC)、1,100円[税込](iOS)、999円[税込](Android)

備考:科学のための課金有り(※480円[税込])

関連リンク:

■商品&購入ページ:iOS版(App Store内)

■商品&購入ページ:Android版(Google Play Store)



© 2018 10tons Ltd.


2020-04-09 19:30
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この記事のURL
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