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【連載】遊び逃している名作ゲームはありませんか?『Portal(ポータル)』発売から12年以上!それでも推したいパズルアクションFPSの名作!/ゴールデンゲームハンマー第30回

弊誌STARTTのSteamセールを特集した記事で、ほぼ必ずおすすめの1本としてピックアップされるタイトルがある。それを見て、筆者は(勝手に)こう思った。


これはゴールデンゲームハンマーの連載でもピックアップするんだ、との無言のメッセージではないのかと。第18回の『Darksiders Warmastered Edition』登場のオマージュではなく、本家本元を紹介してください、と。


ならば、そのメッセージを受け止める形で今回の第30回をお送りしよう。

Steamを導入した人なら、義務レベルで買えとまで言われる伝説的名作。


『Portal(ポータル)』だ。


◆FPSスタイルの新感覚アクションパズル


『Portal』は今やPCゲーム配信プラットフォーム「Steam」の運営で名を馳せる「Valve Corporation(バルブ・コーポレーション)」制作のファースト・パーソン・シューター(FPS)スタイルのアクションパズルゲームである。



オリジナル版は2007年10月9日にWindows PC用ゲームソフトとして発売。

その供給形式は特殊で、パッケージ版は『Half-Life2(ハーフライフ2)』を始めとするValveの看板タイトルを収めた『The Orange Box』、ダウンロード版はそちらと単品の2種類を「Steam」で配信という形だった。


後にXbox 360版も作られたほか、『The Orange Box』も日本でPC、Xbox360向けに発売された。ほかにPlayStation 3版も作られたが、こちらは日本未発売。また、『Portal』単品の発売も「Steam」限定。後年、Xbox 360用ダウンロードソフトとして単品販売(題名も『Portal: Still Alive』と変更され、追加要素を収録)されはしたが、パッケージ版は出なかった。



▲ちなみにXbox Oneでも遊べる。だが、日本語非対応。


2020年現在、本作を最も容易に買うとなれば、SteamのPC版一択だ。幸い、昨今のPCは、動作条件面に達しているものがほとんどなので、非常に遊びやすい環境になっていると言えるだろう。


改めて、その内容について紹介すると、アクションパズルである。見た目はFPSだが、戦闘要素は”一応”ない。「チェンバー」と名付けられたステージ内の障害を取り除き、出口への到達を目指すのが主な流れである。



最大の特徴は「ポータルガン」と呼ばれる装備。名前からして銃火器だが、攻撃性能は持たない。トリガーを引くと、白い壁や床などに不思議な穴(ポータル)を開ける弾を発射する。ポータルは「ブルーポータル」、「オレンジポータル」の2種類があり、(Xbox360コントローラ操作の場合)LTボタンでブルー弾、RTボタンでオレンジ弾を発射する。



出来上がった2つのポータルは繋がっていて、ブルーポータルにプレイヤーが入ればオレンジポータルから現れ、逆にオレンジポータルに入るとブルーポータルから現れる。また、ポータルに入った時には物理法則も働く。つまり、どちらかのポータルに高所から落ちるように入れば、片側のポータルからはその時の勢いのまま飛び出るのだ。


この性質を活用して、チェンバーごとに用意された様々な仕掛けを解き明かしていくことになる。なので、れっきとしたアクションパズル。しかも、他に類を見ないアイディアが炸裂した内容になっているのだ。


それだけに、各パズルでは唯一無二の発想が求められてくる。物理法則の活用はもちろん、周辺に散らばるキューブを始めとするオブジェクトをワープさせるような形で持ち運ぶなどの奇想天外なテクニックが試される。


チェンバーが進むとプレイヤーに牙をむくトラップも。その際には思考力ではなく、指先のテクニックの方が試されることにもなる。そんなアクションパズルを名乗るなりの展開も随所にあり、これまた変わった立ち回りが求められてくるのだ。



以上が大体のあらましである。際立った特徴はポータルガンとポータル以外にはなく、ゲーム的はシンプルな作りをしている。ただ、ポータルそのものの革新性が非常に高いのもあって、あらゆるプレイヤーに新鮮な驚きを提供する。そして、今後数十年にも渡って記憶に残り続けることになる(かもしれない)、強烈な体験が連続する。


それもあって、国内でもSteamが普及しつつある昨今、言われやすくなっているのだ。導入したら真っ先に本作を買うんだ、と。筆者もそれに異議はなく、早期に買う価値のある1本と力説する。


それぐらいに名作なのだ……って、締め括ってしまった。

魅力紹介に移ろう。


◆本作の魅力:全てが新しく、刺激に満ちたパズルの数々


◇革新的の一言に尽きる「ポータル」を使ったパズルの数々

とは言うものの。

本作のどこが最も魅力的なのかは解説した通りである。

非現実的な武器による、理屈が通っていないようで通っている不思議なパズルの数々。

これこそ本作が名作と今なお言わしめる、最大のセールスポイントだ。



ブルーとオレンジ、2つのポータルを作って通過点を作り、それを通って障害物を潜り抜けたり、持ち運べるはずがないオブジェクトを持ち運ぶ、水泳の飛び込みの感覚で高い所から落ち、その勢いのまま別のポータルから飛び出るように大ジャンプを決める。


いずれも、仕組みの分かりやすさと摩訶不思議さが混在した面白さに満ちあふれていて、文字通り革新的なパズルを全編に渡って描いている。噛み砕いて表現するならば、不可能を可能にするパズルしかない内容と言ったところだろうか。


既に発売から12年以上が経過した、本連載で取り上げるゲームの中では現時点で最も古い作品でもあるのだが、そんな年月を感じさせないほど基本的なアイディア、仕組みに強烈な新しさがあり、プレイヤーを虜にするのだ。



これ以上は何も言わない。未プレイであるならば、すぐにでも体験を。

なぜ、今なお名作として語り継がれるのか、その訳を始まって間もなく味わうことになるだろう。そして、人によっては脳内の右下より、ビーバーが「革新的!」と叫びながら”ニョキッ”と飛び出てくるはずだ。


◇芸術的なレベルデザインと絶妙な難易度

パズルの革新性に隠されているが、レベルデザイン……構成の巧みさも本作の魅力のひとつとなっている。何と言っても導入部分が丁寧。ゲームスタート間もなく基本的な操作を教えつつ、ポータルを用いたパズルの解き方、その応用法を段階的、かつ分かりやすい流れでプレイヤーに体験させていくのだ。



そして、大体慣れてきた所で「ポータルガン」を登場させ、最初は「ブルーポータル」を作る弾の発射だけを許可。以降、どのようにパズルで活用するのか、新たなチェンバーを通してプレイヤーに体験させる。それで大体の仕組みを理解したら、次のチェンバーで残る「オレンジポータル」を作る弾の発射を解禁。さらにできることが増える訳だが、その時点でプレイヤーはポータルの仕組みや作り方のことはほとんど把握しきっている。なので、特に困惑することなく覚えて、そのまま以降のより本格的なパズルに挑戦するチェンバーへと進めていけるのだ。


一見、単にチュートリアルを詳細に構成しているだけに見えるが、これが本当に驚くほど綺麗にまとまっている。いわゆる説明臭さがない。既にゲーム本番を遊んでいる心持ちで体験できる仕上がりになっているのだ。



正直、言葉で説明してもピンと来ないと思う。これもまた、先のパズル同様に直接体験してみることで分かるので、ぜひ、体験して欲しい。冗談抜きにFPSを全く遊んだことすらない人もすんなり遊べてしまう行き届いた設計に驚かされるはずだ。


また、パズルの難易度も絶妙。導入部分からの流れが非常によく出来ているのもあって、大変美しい上昇曲線が描かれている。それと同時にプレイヤーをアッと言わせるサプライズも仕込まれている。


◇ミステリアスなストーリー

そのサプライズに当たるのがストーリー。

率直に言って、その内容は「ミステリアス」の一言に尽きるほど謎めいている。



プレイヤーの分身たる主人公はある時、謎の施設の中で目覚める。

なぜ、こんな場所に来たのか困惑する中、突如室内にアナウンスが入る。アナウンスはこの施設が「Aperture Science Enrichment Center」なる場所で、今から主人公に対して「テスト」を開始すると告げる。そして、「ポータルガン」なる銃を片手に、アナウンスに命じられるがままテストをこなしていくことになる。だが、最初は単純なものだったテストが徐々に奇妙なものへと変貌していく。一体、この施設は何を目的にしているのか?そもそも、主人公はなぜここに?アナウンスの主は?



……というのが大まかなあらすじだ。

この時点で怪しさ満点である。

そして、本編も特に中盤を過ぎた辺りからチェンバーごとのパズルが”おかしくなっていく”。どうおかしくなっていくのかは見てのお楽しみだが、緩やかに”狂気”が露わになってくるのである。



そして、終盤を迎えると件の”サプライズ”が待っている……。

これも見てのお楽しみだが、きっと度肝を抜くこと間違いなしだ。さらに最終チェンバーも非常に衝撃的なものになっている。パズルで衝撃的とはいかにだが、本当にその通りのイベントが起きるのだ。ぜひ、これまでの経験をフルに活かして”ぶつかっていただきたい。”嫌でも本作のことが忘れられなくなるはずだ。


◇適切で、分かりやすいボタン配置が光る操作性

PC版はXbox360コントローラのほか、キーボード+マウスの伝統的なFPS操作もフォロー。ボタン配置、レスポンスも良好で、使うボタンの少なさもあって、ストレスなく動かせる設計になっている。



特にほぼ全ての操作がワンボタンで行えるように作られているのが良心的。FPSは他のボタンと組み合わせる操作が求められやすいが、本作はブルーとオレンジのポータルを作り出す弾はボタンごとに決められているので、単に押すだけで簡単に行える。物を運ぶ+離す、(小刻みに)ジャンプするのも全部ワンボタンなので、FPSを全く遊んだことのない人にも優しい。


何と言っても、序盤の導入が丁寧なので本当に説明書要らず。何の前提知識もなく遊べる設計になっているので、FPSの操作入門としても最適だ。そして、その何の知識もなく遊べる点がストーリーにおける主人公の設定ともリンクしていたりも。こういう所にまで設定を凝らす作り込みにも、本作の名作と評価される訳を思い知る……かもしれない。


◆テストをこなしてケーキをいただこう。


……と、圧巻の完成度を誇る本作なのだが、惜しい所も幾つかある。

特にボリュームに関しては、アクションパズルを求めるプレイヤーには物足りなさを感じてしまうだろう。チェンバーことステージが19しかないのだ。数にして十分ありそうに見えるのだが、実は序盤の半分が先のチュートリアルに当てられている。本番的なステージが登場するのは中盤以降からで、そこからあっという間にラストへ向かってしまうのだ。



終盤のパズルは難易度も高めで、やり応えは十分なのだが、そこからが結構”怒涛”のため、人によってはもっと遊びたい気持ちになるかもしれない。なので、あまりボリュームには期待しないように、と告げておこう。ただ、クリア後にはボーナスレベルが解禁されるほか、Xbox 360版には特別な追加チェンバーが10以上収録されている。もし、ボリューム面も求めるのなら、そちらを選ぶのがいいだろう。だが、Xbox 360版は日本語に対応していない点に注意して欲しい。



また、当然ながら”酔い”の問題はある。ことに本作、上下左右に視点を大胆に動かしたり、固定したりする場面が多いので、場合によってはリバース寸前にまで追い込まれかねない。興味があるけど耐性がない場合は、無理しないよう気を付けいただきたい。筆者はそれなりにFPSを遊んでいるので耐性がある方だが、初見時は地味に追い込まれかけた。冗談抜きにもし、酔いを感じた時はすぐにプレイを中断して休憩を取るようにしていただきたい。合言葉は「ゲームは1日1時間」だ。



締めに名人ネタを引っ張り出してしまったが、いずれにしても本作が名作であることに変わりはない。これ以上は言わない。もし、Steamを導入しながら本作未プレイならば、少しでもいいので体験いただきたい。Steamセールの記事でもピックアップされるように、昨今は100円を切ることも多々あるので、そこを狙ってみるのも一興だ。発売から既に12年以上。今なお、名作として語り継がれる革新的な体験を味わってみよう。


挑んだ末には美味しい”ケーキ”が待ってます。

ようこそ、「Aperture Science」へ。


【ゲーム情報】

タイトル:『Portal(ポータル)』(Portal: Still Alive)

発売元・開発元:Valve

対応ハード:PC(Windows、Mac)、Xbox 360

ジャンル:パズルアクションFPS

価格:600円[税込](PC)、1,543円(Xbox 360)

備考:Xbox One後方互換機能対応、Xbox One X Enhanced対応

関連リンク:

■商品&購入ページ:Xbox 360版(Microsoft Store内)



© 2007 Valve Corporation.All rights reserved.


2020-04-01 19:00
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この記事のURL
https://startt.jp/article/2020/04/01/56842
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