昨今、開催中のダウンロード版ゲームソフトのセールキャンペーンに焦点を当て、注目のお買い得作品を紹介する「STARTTゲームセールピックアップ」。今回取り上げるセールは、先日にNintendo Switch、PlayStation 4、Xbox One用2Dシネマティックアドベンチャーゲーム『フォーゴットン・アン』を発売したのが記憶に新しい、コーラスワールドワイドがニンテンドーeショップ上で実施中の『新春セール』。2019年3月7日から3月25日午後23時59分まで、以下7タイトルを50〜80%OFFでお買い求めいただけます。
■ザ・ビデオキッド(マイニンテンドーストア:商品&購入ページ)
■バートラム・フィドルの冒険EP1 霊刻なる事件(マイニンテンドーストア:商品&購入ページ)
■バートラム・フィドルの冒険EP2 惨々たる誤算(マイニンテンドーストア:商品&購入ページ)
■デ・マンボ(マイニンテンドーストア:商品&購入ページ)
■アペリオン・サイバーストーム(マイニンテンドーストア:商品&購入ページ)
■ノーヒーローズ・ヒア(マイニンテンドーストア:商品&購入ページ)
■ジェットメロ:ヒーロー・オブ・ザ・ユニバース(マイニンテンドーストア:商品&購入ページ)
時は1980年代。少年は思った。
働かねば。
働いて、恋人のジェシカにプレゼントを買わねば。
かくして少年は、立派な海賊ビデオ配達人「ビデオキッド」へと成長した。
ということで、今回ピックアップするのは『ザ・ビデオキッド』。イギリスのインディーディベロッパー「Pixel Trip Studio」制作のアーケードアクションゲームです。オリジナル版は2017年1月31日にPCゲーム配信プラットフォーム「Steam」で発売。日本語ローカライズ版は2018年8月30日に発売されました。Nintendo Switch以外にPlayStation 4、Xbox One、PC(Windows)でも発売中です。
スケボーに乗って自走する少年となり、道行く先にある家のポストに海賊ビデオを投函しながら、恋人の元に辿り着くのを目指すというのが主な内容。プレイヤーは行く手を阻む障害物、通行人などに少年が衝突しないよう、方向キーで三列ある車線(レーン)を切り替えたり、Aボタンでジャンプするなりして避け、Bボタンでビデオを投げながら進んでいきます。もし障害物、通行人などと衝突すればゲームオーバー。最初からやり直しです。
80年代からゲームに慣れ親しんでいる世代の方なら、その内容にデジャヴを感じたかもしれません。御推察の通り、本作は1984年、アメリカのアタリ社よりアーケードゲームとして誕生し、日本でもファミリーコンピュータ、メガドライブ向けに発売されたアクションゲーム『ペーパーボーイ』にインスパイアされた作品。特にポストへのビデオ投函、右斜め視点の画面構成は同作とほぼ一緒で、プレイ経験のある方なら苦笑いしてしまうものになっています。
ですが、三列のレーンを切り替えながら進めていく点で、ゲームとしての手触りは少し異なります。ビデオも無制限に、且つボタンを連打すればマシンガンのように投げられ、住民に命中させれば倒すこともできるので(え?)、アクションゲームというよりはシューティングゲームに近いプレイ感覚です。一体、少年はどこにそんな大量のビデオを隠し持っているのか、という大いなる謎が付きまといますが、気にしてはいけません。1980年代だから仕方がないのです。
また、行く手を阻む障害物、通行人も大変おかしなことになっています。
いずれの元ネタを知っていれば、大いに集中力を殺がれ、
そして、衝突へ…。
恋人の元まで辿り着けばゲームクリアのため、総プレイ時間は大体5〜10分程度と短めです。しかし、一度でも障害物、通行人に衝突すれば即ゲームオーバーになって、最初からやり直し。しかも、再開する度にステージの構成(障害物、通行人の出現パターン)がリセットされるので、一筋縄ではいかない難易度になっています。
ただ、繰り返しプレイを重ねるにつれ、対処法が分かってくるバランスで、理不尽さは感じさせません。何より、やり直す度に構成がリセットされるので、常に新鮮な気持ちで楽しめます。
ゲームを通して溜まっていくお金を消費してコスチュームを購入し、着せ替えをするなどのサブ要素も揃っているほか、スコアアタック要素もあってやり込み甲斐は抜群。小規模なゲームですが、取っ付きやすいゲームルールと侮りがたい難易度、そして自重しないパロディの数々で楽しませてくれる良作です。大作ゲームの箸休め、就寝前にちょっと遊ぶ一本として最適ですので、興味があればぜひ。こちら、定価でも税込み500円とお手頃ですが、セールでは50%OFFの250円と、よりお安くお買い求めいただけます。マイニンテンドーのゴールドポイントでも気軽に買えますので、それなりのポイントが余っていましたらご検討ください。
他の注目作としては、ポイント&クリック型アドベンチャーゲームの『バートラム・フィドルの冒険』。こちらの『エピソード1 霊刻なる事件』、『エピソード2 惨々たる誤算』共に50%OFFの価格でお買い求めいただけます。
本作は二部構成のストーリーになっていますので、二作共にお手頃価格で買える今回のセールは大チャンスです。二作セットで買っても1000円を超過しない(総額750円になる)のも嬉しいところ。
ゲーム本編も骨太な謎解きとパズル、アニメ調のグラフィックと18世紀ヴィクトリア朝ロンドンを忠実に踏襲……と思わせて、何故かタブレットデバイスとゲームアプリが出てきちゃう珍妙な世界観、陰謀と殺人にミステリー、そして酷くて寒いダジャレが襲い来るストーリーで楽しませてくれます。特にストーリーは、登場人物達のぶっ飛んだ言動と容姿に良くも悪くも驚かされること間違いなし。元の英語版の雰囲気を損ねず、日本のプレイヤーにも伝わる表現にまとめられたテキストの翻訳も見所です。
登場人物達のやり取りにイギリスの代表的なコメディグループ「モンティ・パイソン」を髣髴とさせるノリがあることから、こちらも80年代をリアルタイムで経験した世代ならグッとくる作り。操作周りに多少、癖はありますが、明らかに日本人にはないセンスが炸裂したアドベンチャーゲームです。ぜひ、この機会にお試しください。