『インディーゲーム』とは、インディーズ・ゲームの略で、大手ゲーム会社に属さず、個人や小規模の開発チームで制作されるゲームのこと。少人数制作だからこその”自由な発想力”を武器に、独創的なゲームデザイン、自由なテーマで作られるインディーゲームがウケて、海外のゲームシーンでゲーマーで一大ブームになっている。しかも最近では、日本国内でもPlayStation4やSwitchで気軽に遊べるようになってきているんだから、ゲーマーならやらない手はないでしょ!というわけで、オモロイゲームには目がない『STARTT』では、日本国内で遊べるインディーゲームをご紹介していきますよ。みんなやろうぜッ!
正直、しんみりと泣いた。
オッス! おら、ゲームライターの吉田せめんと! あ、スミマセン。普段「オラ」とか言いません。うれしくて勢い出しすぎました。だって『いまから始めるインディーゲーム』連載の記念すべき第1回なんだもの。人間だもの。
今回当連載で紹介するのは、ミステリーアクション・アドベンチャー『FIREWATCH』(PS4版)です!
【ザックリどんなゲーム?】
・一人称視点のアクションアドベンチャーゲーム
・美しく描かれた大自然を舞台にした冒険ストーリー
【ザックリ素敵なとこは?】
・クリア後に、”いい小説読んだあとの”読後感”みたいな雰囲気を味わえる
■PlayStation4版の登場でやっと始める『FIREWATCH』
『FIREWATCH』は、その内容が海外ゲームサイトで発表になったときから、やりたくてやりたくてしょうがなかったのよ。
だって、主人公が森林監視員で、だだっ広い自然保護区を舞台に、トランシーバーひとつが唯一の通信手段でミステリアスな事件に巻き込まれってゆーのよ? 冒険心をむちゃくちゃ刺激されれちゃたわけ。もう設定勝ちでしょコレ。日頃、殺したり殺されたりする洋ゲーばっかやってる筆者的には、違う部分のゲーム欲を満たしてくれそうな予感たっぷりだったわけ。
でも、発表当時はPC(Steam)で英語版のみでね。若かりし頃なら、速攻プレイしたんだけど、ちょっといいオッサンの筆者はお仕事の忙しさもあって華麗にスルー。この場合、”加齢にスルー”が正解か。
そんな出来事から2年……2年なのかよ!時が経つの早いなぁ!(いま初リリースをググった。2016年2月6日だってさ) PlayStation4で、しかも日本語版で発売するっていうじゃないの! もう速攻購入。自動買い。前日のプレスリリースを見て、Googleカレンダーでアラームセットして、翌日会社からPlayStation Storeにアクセスして購入! 早期購入特典で1,980円のところ1,386円! ヤスッ、ゴチになりますっ!
で、退社後寄り道せずに速攻帰宅してプレイ!
感動。
……って、筆者が想像したのと違う! 大自然を舞台にしたサバイバルな話かと思ったら、めためたせつないお話しじゃんかよ。ちょっと泣きそうで感動したもうッ! というわけで、みんなも泣け! というわけで、筆者の涙腺を緩めたインディーゲーム『FIREWATCH』を紹介していきますよ!
『FIREWATCH』は、ワイオミング州・自然保護区の森林火災監視員のアルバイトに志願した中年男”ヘンリー”(38歳)が主人公のミステリーアドベンチャーゲーム。プレイヤーはヘンリーとなって、自然保護区を舞台にさまざまな”出来事”に巻き込まれていくというもの。
ゲームのオープニングはヘンリーの過去からスタート。ムーディーな楽曲をBGMに、テキスト表示で妻との出会いが描かれる。途中2択の選択肢とか出たりして「間違ってテキスト・アドベンチャーゲーム買っちゃった!?」とか焦ったけど、気がつけば、そこで描かれるストーリーがせつなすぎて思いっきりゲームの世界に引き込まれてるしっ!
重ッ。
もうね、筆者くらいオッサンになってくると、さすがに人生いろいろあるからね。設定がオトナすぎて心に刺さっちゃうわ。てか、ゲームでこういう人生の物語を描かかれること自体がすげぇってコトかも。
で、本編は失意のヘンリーが自然保護区に降り立つ場面から始まる。なんなら、プレイヤーがヘンリーの年齢に近ければ近いほどシンクロ率が高まってゲームスタートするわけ。俺なんかシンクロ率400%だわ。
そんな失意のヘンリーの目に飛び込んでくるのが、自然保護区の美しい大自然。そこには「なんか……、なんか来てよかったなぁ〜」と、景色を見ながら目を細める俺がいるんですよ。シンクロ率400%なんで(2回目)。
■トランシーバーを介しての会話劇がイイ!
肝心のゲームはというと、ヘンリーの上司となる女性監視員”デリラ”からのトランシーバーを介しての指示に従って行動することで物語が進行していく。
デリラは、ヘンリーの隣の監視区画を担当しているので、直接会うことができず、代わりにトランシーバーで指示を出してくるわけなんだけど、声だけってなんだかミステリアスだよなぁ。彼女の監視塔は、ヘンリーの監視塔からも見えるんだけど姿までは確認できない。やっぱミステリアス〜。
で、このトランシーバーってのが本作の肝。デリラとの会話は監視員としての業務はもちろん、プライベートなものにも発展していくんだけど、そこでやり取りされるセリフが絶妙なんだよね〜。例えるならハリウッド映画の会話シーンみたいなやーつ。まさに一級の会話劇っていうのかな、ウィットに富んだ内容なんだよね。
しかも、この会話は回答に時間制限付きの選択肢があって、回答次第で会話の内容が変化していくというからたまんない。ゲリラに対して親愛の情を見せてもいいし、頑なにプライベートを語らなくてもいい、それはプレイヤー次第。ちなみに俺はデリラをすぐ口説方向でプレイしましたけど。やーねぇ。
■監視員の仕事、しょーもなっと思ってたら……
ヘンリーの最初の仕事は”無断侵入して大騒ぎしている若者を注意して退去させる”こと。目的地へは、地図とコンパスを使って移動するので迷うことはない。っていうか、これでも迷ったら方向音痴すぎる!
現地についたら、大騒ぎしてる女子学生二人組を注意して退去させるといった具合でラクショー。と、最初は余裕の仕事だが(ヘンリー自身もただ山並みを眺めて毎日過ごしていればいいと思っていた様子)、この出来事をきっかけに、ヘンリーの周囲でどんどん不穏な出来事が起こり始め、物語は思いもよらない方向に進んでいく。どんな展開か書きたいけど、そこがオモロイとこなんで。ぜひプレイしてほしい!
■クリア後にやってくる”プレイ後感”にジーン!
ストーリー展開を夢中でおっかけて、気がつけば約5時間ほどでエンディングを迎えることができた。そこで待っていたのは、プレイ後の充実感。充実ってのともまたちょっと違うんだけど、一番近い表現がコレなもんで書いとく。なんつーの? プレイ後、思わず虚空を見つめて、自分の感想を整理をするって感じ……。
ほんと、ゲームででこんなにも心に刺さる物語を表現できるんだってことに驚いたし、逆にインディーゲームだからこそ表現できたんだろうなとも思う。充実のプレイ後感とあいまって、妙にゲーム欲を満たされた1本、ゼヒ多くの人にプレイしてもらいたいな~と思いました。
あ、そうそう最後にこれだけアドバイス。もし本作をプレイするなら、じっくりゆっくり遊んでください。モノを観察するといいですよ。ゲームクリアに必須ではないのですが、本作では物語を裏付けるモノが多数存在するので。そういうったモノをひとつひとつ見ておくと、クリアしたときに「ああ、そういう意味だったのか!」ってプレイ後感が高まりますよ〜!
FIREWATCH IS A TRADEMARK OF CAMPO SANTO.
タイトル:FIREWATCH
ジャンル:ミステリーアクション・アドベンチャー
価格:
Steam版 1,980円[税込]
PS4版 1,980円[税込]