先週、PlayStation 4とNintendo Switchでの無料配信が始まった『DELTARUNE Chapter 1(デルタルーン チャプター1)』。まだプレイしていない方の中には、『UNDERTALE(アンダーテール)』の関連作であることくらいしかご存知ない方もいらっしゃるかもしれません。そこで今回は、本作の特徴や魅力について、実際にプレイした所感も絡めて、お伝えしたいと思います。気になっている方に参考にしていただけたら幸いです。
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■『DELTARUNE Chapter 1』はこんなゲーム
『DELTARUNE Chapter 1』は『UNDERTALE』を手掛けたゲームクリエイターTobyFox氏の最新作となるRPG。『UNDERTALE』と同様、戦闘では敵と交渉などを行って戦わずに和解することができる「誰も死ななくていいRPG」になっています。登場キャラクターの多くは全く新しいキャラクターですが、一部『UNDERTALE』のキャラクターたちが登場するいわゆる「スター・システム」方式が採用されているのも特徴。
「チャプター1」と付いている通り本作だけでは完結せず、今後有料配信が予定されている「つづき」をプレイすることで、はじめて全容が明らかになるようです。
ちなみに本作はゲームを起動すると『UNDERTALE』を先にプレイすることを推奨されます。ですが、チャプター1に関しては『UNDERTALE』をやっていないと理解できない設定などはほぼ見当たりませんでした。無料の本作をしばらくプレイしてみて、ノリが合いそうならば「つづき」のリリース前に『UNDERTALE』をプレイしておく、というのもアリかと思います。
■『DELTARUNE Chapter 1』の魅力
①奇妙でおもしろく、ときどきほっこりできる世界観と台詞回し
主人公のクリスは様々な生き物が共に生活する世界で暮らしている少年。ある日学校で、先生から授業に使うチョークを取ってくるよう言われたクリスは、暴れん坊な問題児スージィと一緒に物置部屋へ。暗い部屋の中をさまよっていたふたりは、気づくと見たこともない世界へ迷い込んでいたのでした。果たしてクリスは、まったく協調性のないスージィと一緒に、もとの世界に戻れるのでしょうか? というのが物語の導入。
異世界の住人は、協力者も敵対者も、憎めないキャラクターばかりで、彼らとのスラップスティックな会話劇が実に愉快。ちょっとふざけたやりとりと、じんわり胸に染みる優しい台詞の数々、そしてたまに挟まれるドキッとするようなシリアス展開。これらの空気感に夢中になれたのなら、本作は心に残るゲームになるでしょう。
②コマンドRPG × アクションな戦闘システム……今回はパーティ戦!
基本的には『ドラゴンクエスト』などと同様のコマンドRPGの本作。けれど自分が敵に攻撃するときはタイミング良くボタンを押し、敵から攻撃を受けたときは画面に表示される「ハート」を操作して敵が飛ばしてくる弾を避ける必要があるなど、ちょっとしたアクション要素がスパイスになっています。
ここまでは前作『UNDERTALE』とも共通する要素。『UNDERTALE』の戦闘は基本的に主人公ひとりでの戦いでしたが、本作は仲間と協力して戦う「パーティ戦闘」になっています。前作にはなかったゲージを消費して繰り出す「まほう」コマンドも存在。まほうを使うために必要なゲージは「防御」コマンドを選択するほか、敵の攻撃を避けるとき「ギリギリでかわす」ことでも上昇。リスキーな操作を成功させればメリットが生まれる仕組みになっています。
③誰も倒さずに最後までクリアを目指せる
これも『UNDERTALE』から受け継がれた要素ですが、本作でも敵は普通に倒す以外に和解に持ち込むことも可能。ラルセイは論理的な交渉が得意だったり、暴れん坊のスージィはパーティに加入した当初は勝手に攻撃を仕掛けるので、敵にスージィの攻撃に気をつけるように「けいこく」する必要があるなど、メンバーの個性によって生まれるやり取りがまた楽しさに繋がっています。
『UNDERTALE』では敵と和解するか、殺戮の限りを尽くすかによって物語が3つのルートに分岐しました。『DELTARUNE』はチャプター1の時点では目立った分岐はないようでしたが、その後の物語がどうなるのかは、まだ分かっていません。
④待ち受けるさまざまな罠!
基本的に一本道のフィールドを進んでいくことでストーリーが進行していく本作。しかしその道中では戦闘以外にも様々な仕掛けがクリスたちの行く手を阻みます。
このフィールドの仕掛けもまた、用意した敵キャラクターがヒントを消し忘れていたりと、いっそうキャラクターたちに愛着が湧く理由になっていたりします。どんな要素にも小ネタが含まれていることからはプレイヤーをとことん楽しませようという精神が伺え、この点は『UNDERTALE』以上かもしれません。
■攻略のちょっとしたポイント ※微ネタバレ注意
【その1】迷ったらいろんなところでA(◯)ボタン
本作では画面内にある目立つものやキャラクターにはほとんどの場合テキストが用意されていて、「調べる」または「話しかける」ことでネタ的な会話から攻略のヒントまで、様々なテキストを読むことができます。次に何をすればいいか分からなくなったときは、画面の隅々までボタンを押してチェックすることで活路が開けるかもしれません。
【その2】スージィが言うことを聞くまでは真っ先に「けいこく」
パーティに加入当初はこちらの言うことを聞かず、自分勝手に敵に攻撃を加えるスージィ。クリスの行動で「けいこく」を選べば、敵に警告を発して、敵がスージィの攻撃を避けるようになってくれます。このチャプター1では敵を倒さないことによるストーリーの分岐などはありませんが、「真の平和主義者」として誰も倒したくない方は、彼の加入直後に気をつけるようにしましょう。
【その3】元の世界に戻ったら隅々まで探検
無事元の世界に戻り、自宅のベッドで休めば終了となる『DELTARUNE Chapter 1』。しかし元の世界での探索範囲は意外と広く、クリスが本来の世界でどう思われているのかや、その後の展開に関わるであろうキャラクターとの会話などをスルーするのはとても勿体無い。本作に惚れ込んだ方には、一直線で自宅に向かうのではなく、ぜひ町を隅々まで探索していただきたいと思います。
『DELTARUNE Chapter 1』は、前作『UNDERTALE』が気に入っている方ならばきっと楽しめるであろう大変に笑えてキュートで楽しいRPGに仕上がっていました。個人的には、無料でプレイできる本作からTobyFoxの世界に入門するのもおすすめです。
隠しボスである「ジェビル」の存在も話題になっている本作。筆者はまだ出会えていないので、これからやり込んでいこうと思います。『DELTARUNE』が真の姿を見せてくれるまで、まずはチャプター1の世界を隅々まで楽しみましょう!
『DELTARUNE Chapter 1』
対応ハード:PlayStation 4/Nintendo Switch
メーカー:ハチノヨン
ジャンル:ロールプレイング
価格:無料(Chapter 2以降は有料配信予定)
配信日:2019年2月28日
CERO:B(12才以上対象)
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