日に日に暖かくなり、いよいよ潮干狩りシーズンに突入しました。
今週末は(月曜日が新月で大潮なので)中潮とはいえ、かなり潮が引きます。各地の干潟で、潮干狩りが楽しめることでしょう。
ちょっと天気が心配ですが・・・。
今年の貝毒情報ですが、残念ながら大阪府では麻痺性貝毒が検出されてしまいましたが、その他の地域では麻痺性貝毒も下痢性貝毒も検出されていません。
採った貝は安心して食べられます。
・天気を調べる
・干潮満潮を調べる
※貝毒については、各都道府県の水産課のHPをご確認ください。
ところで、潮干狩りといえば干潟のアサリを思い浮かべる方が多いと思いますが、実は岩礁の磯にも同じ様な貝がいます。
岩場の大きめの石を退けてその下の砂を掘ると小さめのアサリが出てくるのですが、実はこれ、アサリの赤ちゃんではなくヒメアサリという近縁の貝なのです。
小さめなので、酒蒸しやワイン蒸しにすると一個一個食べるのが面倒になりますが、旨味がギュッと凝縮されていて、味噌汁にするととても美味い貝です。
漁業権に配慮した上(採りすぎない)で、ヒメアサリを探してみるのも面白いでしょう。
(潮干狩りについては以上で、以下、カニ=しかも食べられないタイプの=話しが始まります。興味のない方はここで読み終えることをお薦めします)
潮干狩りが盛んなシーズンになると、海辺にはいろいろな生き物が蠢き出します。
河口でよく目にするのは、アカテガニ、ベンケイガニ、クロベンケイガニ、カクベンケイガニといったところで、泥干潟に入るとハクセンシオマネキ、ヤマトオサガニ、チゴガニ、砂干潟だとコメツキガニやマメコブシガニなんてのが見られたりもします。
コンクリートで護岸された様な都会の河口や海辺だと、これらの生き物は極端に少なくなるのですが、クロベンケイガニは割とどこでも見られます。護岸の石垣、用水路、海に近いところなら田んぼの周辺にもウジャウジャいます。
ぱっと見は小汚いカニですが、よく見ると愛嬌があり、また食植性の強いおとなしいカニですから、海辺や河口に出かけることがあれば、探してみると面白いですよ。
但し、挟む力は強いので不用意に捕獲しようとしないこと!
ちなみに、この写真のカニがクロベンケイガニなのですが、Googleで「ベンケイガニ」と検索すると出てきます。
クロベンケイガニはベンケイガニ科ではあるので、間違った検索結果とは言い切れないのですが、
クロベンケイガニは、イワガニ上科 ベンケイガニ科 アカテガニ属
ベンケイガニは、イワガニ上科 ベンケイガニ科 ベンケイガニ属
属レベルで違う生き物です。
クロベンケイガニは黒いベンケイガニではなく、クロベンケイガニという種ですから、「ベンケイガニ」の検索結果で出てくるのは正確ではありません。
2~3回、Googleさんにフィードバックしているのですが、筆者の説明が下手なのか中々直してくれません。
分類学上の正しさより、ネットユーザーの興味(ボリューム)を重視する検索アルゴリズムはサーチエンジンとしては正しいんでしょうけど、なんかモヤモヤします。
ベンケイガニもクロベンケイガニも毒のあるカニではありませんが、筆者は食べたことがないので、美味しいかどうかは判りません。
それよりも、海のカニですが陸棲に近く、普段は汽水~淡水域で活動していますので、生では食べない方が良いと思います。