11月6日、火曜日。うちの子一号が息を引き取りました。この日の午前に餌を交換したときには普通に元気にしているように思えたのですが、夜になって中を見たところひっくり返って後ろ足が僅かに動く程度の状態となり、しばらくして全く動かなくなりました。
この夏から秋にかけて、何匹ものクワガタやカブトムシの最期を見てきましたが、やはり最初に見つけた一号の死はとても寂しいものです。最近いろいろ情報を漁り、ノコギリクワガタの中にも越冬できる個体がいることを知ったので、可能性は低くても越冬準備だけは整えようと思い、作業を行っていた最中の出来事でした。
ついに残ったノコギリクワガタはこちらの二号だけとなりました。指を近づけると相変わらず元気に威嚇してきますが、やはり夏ごろに比べるとその動きは大分鈍くなって来ています。
ノコギリクワガタは基本的には冬前には死んでしまう生き物ですが、一応越冬が可能なパターンもあります。ただ、冬を越せるのは夏の終わりから秋にかけて孵化してしまい、孵化後はあまり活動せずに生きていた個体のみ。
残念ながら二号を見つけたのは8月上旬。しかも我が家の昆虫たちの中では脱走王かつ(ケースの)破壊王でもある二号に、おそらくそれほどのエネルギーは残っていないでしょう。
おそらくそれほど長くはもたないとは思いますが、一縷の望みをかけて、越冬用のセットを組むことにしました。
まずはケースに、ヒノキのおがくずを敷き詰めます。土よりも簡単に潜り込むことが出来るうえ、保温性も高まります。また、ダニ対策としても非常に有効です。ここに霧吹きでたっぷりと水を吹きかけておきます。越冬中の死因は乾燥によるものが多いそうなので、こまめな給水を心がけます。
そして次に、エサ台と餌を置きます。冬眠状態になっても餌は必要ですし、それ以前に今日を生きるためのエネルギーは供給し続けてあげる必要があります。
そして最後に落ち葉を空いているスペースに敷き詰めます。わざわざおがくずの中に潜り込むエネルギーを使わなくてもある程度の保温効果がありますし、転びにくくなります。転んでひっくり返ってしまうと、起き上がるのに多大なエネルギーが必要なため、弱った個体はそのまま起き上がれずに死んでしまうこともあるのでここは気を付けます。
最後にこうして作り上げた越冬用新居に、二号を移して作業終了です!
あとどのくらい生かしてあげられるのかは分かりませんが、最後まで見届けようと思います。
(写真・文:早川清一朗)
【STARTT’s POV ~スタート視点~】
STARTT編集部が、早川氏から「家の前でクワガタ見つけたんで記事書いて良いですか?」という、連絡を受けたのが7月の中旬。その時に見つけられちゃった“ノコ一号”がついに旅立ちましたか・・・。感慨深いものがあります。
当時はクワガタにキュウリを与えていた早川氏も、今ではすっかりクワガタ通になった感がありますね。“ノコ二号”が1日でも長生きするように、STARTT編集部からもお祈りしております。(今回は珍しく染み染み)
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