須田隆久という現代の吟遊詩人をご存じだろうか。
同じ空間にいると自分がどこの国の者か、どこの時代の者かわからなくなる錯覚に陥らせてくれる不思議な風を持った男である。
筆者が初めて同じ空気を吸ったのは、彼が音楽監修を務めたフラメンコとタップの競演舞台。摩訶不思議な力を持っているが、カンテにありがちな渋く情熱的過ぎる歌声のそれではなく、音の天井が甘くその振動が直接鼓動と同期しそうな彼の声。ダンスを見に行ったにも関わらず、彼のその声をずっと追ってしまった憶えがある。
無二の着物好きとして着物姿でギターを抱えることも少なくない須田。そんな彼が琵琶を弾き語り、その前で陣羽織の武者姿のフラメンコダンサーが踊る舞台映像を目にした時は、才能の何たるかではなく魂の解が人と違う次元に存在する人を発見した瞬間でもあった。
このような別次元の男の声が、昨年12月7日に発売されたプレイステーション4「龍が如く 極2」の中で聞けるというのだから、とことん作り込まれた作品にはとことんのこだわりがあり、異次元には異次元の競演があるという事だろう。
ゲームの途中、薩摩琵琶とボイスが聞こえたらあなたもきっと違う世界への入り口を見つける事になるだろう。
公式サイト:須田隆久オフィシャルサイト