2019年10月24日より、『GIGA WRECKER ALT.(ギガレッカー オルト)』のNintendo Switchパッケージ版が「レイニーフロッグ」から販売開始となる。
本作はポケモンこと、ポケットモンスターで世界的にも知られるゲーム開発会社「ゲームフリーク」の制作のパズルアクションゲーム。
元は「Steam」、「DMM.com」にて配信中のPC(Windows)用ゲームソフト『GIGA WRECKER(ギガレッカー)』。2016年8月19日に早期アクセス版として配信を開始し、以降、アップデートを重ねた末、2017年2月7日より製品版の販売を開始した。
本作はPC版をベースに新要素の追加、バランス調整を施したパワーアップ版。
海外では5月2日に発売済みだが、日本は約5ヶ月ほど遅れての登場となる。
供給ハードはNintendo Switch、PlayStation 4、Xbox One。
この内、PlayStation 4、Xbox Oneはダウンロード専売になる。
また、本日より販売が始まったのはNintendo Switchのパッケージ版。
ダウンロード版は全機種、後日配信で、PlayStation 4版が10月29日、Xbox One版が10月30日、そしてNintendo Switch版が10月31日となる。
ダウンロード版の購入を検討されている方はご注意いただきたい。
≪目次≫
◇『GIGA WRECKER ALT.』で初プレイとなる方に向けて
『GIGA WRECKER』とは、どんなゲームか。
一言で言えば、パズル要素強めの横スクロールアクションゲームだ。
ただ、スタイルとしては探索型。
同じく10月24日より、家庭用ゲーム機版が販売開始となる『Bloodstained: Ritual of the Night』のように迷路のようなマップを探索し、仕掛けを潜り抜け、敵と戦いながら進めるアクションゲームになっている。
パズル要素強めと聞いてステージクリア型(問題攻略方式)を想像する人は少なくないかもしれないが、それとは全く趣の異なる作りだ。本作で初プレイとなる方は、その点を念頭に入れておいていただきたい。
本編は主人公の「烈景寺(れっけいじ)レイカ」を動かし、ストーリーに沿って「アジート」と呼ばれる殺戮ロボットの軍団が支配する「領地(エリア)」を探索しながら、深部で待つボスの撃破を目指すというのが主な流れになる。
ボスの所へ到達するには、「ゲート・キー・モジュール」と呼ばれる端末を複数起動しなければならず、領地内の様々な区画を巡って見つけていくことになる。
だが、端末のほとんどは普段のアクションではまず届かない所にある。この道筋を立てるため、周囲に散らばった「オブジェクト(※コンクリートのブロックなど)」を用いた”物理パズル”に挑んでいくことになるのだ。
物理パズルの名の通り、ガレキは現実の物理法則に基づいて動く。なので、高所から落下すると衝突の反動で跳ね返ったり、横から力を加えると、その方向に沿って勢いよく飛ぶなどのリアルな挙動を見せる。レイカの通常攻撃「パンチ」を加えると壊れたり、落下地点にトラップがあると粉々に砕け散ってしまうことも。
これらを踏まえ、地形構造に他のガレキ、トラップの配置を見極め、端末に繋がる道を作り出す……というのが、本作のパズル要素のあらましだ。非常にユニーク、かつ物理法則に基づくがゆえの意外性が詰まったものになっている。
さらに特徴的な要素が「ガレキ」を使ったアクションだ。
本作では「オブジェクト」を破壊したり、敵を倒すと「ガレキ」が散らばる。
この時、(Nintendo Switch版の場合)Rボタンを押すとガレキがレイカの元へと回収され、「カタマリ」の状態に。そのまま続けて他のガレキを回収するとカタマリは大きくなって、強力な攻撃を繰り出せるようになるのだ。
この能力を「リコール」と言う。
さらにゲームが進むと「設計図」なるデータが手に入って、リコールしたガレキから別のオブジェクトを作り出せるように。その一連の能力は「ARms Creating and Handling Effect」、略して「アルケー(ARCHE)」と称されている。
作り出せるオブジェクトは足場にもなる四角いブロックのほか、ブレード、ジャベリンと言った武器も。それぞれ使うことで行動範囲が広がったり、パズルでは普段のアクションでは与えられない力を与えることも可能だ。
このようなアクションを駆使し、道を切り開いていくのも特徴になっている。
そして先の通りだが、本作はPC版をベースにしたパワーアップ版になっている。
具体的にどの辺が強化及び変更されているのか?
この度、販売元のレイニーフロッグの御厚意から海外先行のNintendo Switch版をプレイできる機会を得られたので、最初のボス「アストラ・ヴィナター」を倒した時点で確認できた新要素をポイント別に紹介する。
PC版にはなかった選択機能が追加。
標準の「ノーマル」に加え、被ダメージ量が5倍になる高難易度「ハード」が選べるようになった。なお、一度決めた難易度は後から変更できない。
本作を初プレイの人には「ノーマル」を強く推奨。PC版をクリア済み、収集要素もコンプリートするほどやり込んだ人には「ハード」を推奨したい。
PC版にはプレイヤーが自由にパズルステージを作れる「レベルエディター」、その作ったステージを遊ぶ「カスタムキャンペーン」のモードが用意されていたが、双方削除。ストーリー本編(シングルプレイ)に特化した内容になっている。
レイカをサポートするロボット「ドゥルマ」なる新キャラクターが追加。
関連して、会話イベントにも彼女(※♀なのです)が参加するようになって、新たなやり取りが繰り広げられるようになった。
ドゥルマのハッキング能力を使って、パズルのヒントが得られるようになった。
近くにある「アンテナ」でコントロールスティック(或いは十字キー)の上を押せば、パズルの完成図や手順などを見れる。閲覧時にアイテムが必要となることもないので、詰まった際はためらいなく使うのがおすすめ。
なお、一部パズルではヒントが見れないようになっている。
(※主にストーリー進行に関係しないパズルに多い)
最初のボスを倒した後に降り立つマップが若干、拡張されている。
このほか、エンディングにも新パターンが用意されているとのこと。残念ながら、そこまではプレイできなかったが、序盤の時点でも新マップ、新イベントの追加などが確認できたので、PC版をクリアした人も新鮮な気持ちで楽しめそうだ。
PC版未経験、今回のALT.で初プレイとなる方に向け、覚えておくと得する小ネタを紹介。
ゲームが進むと、レイカのステータスを上昇させる「スキルツリー」が解禁される。大体、その頃にはスキル習得に必要な青い「ナノ・クリスタル」も結構な数が集まって、「スキルポイント」もそれなりに溜まっている……と思われる。
そんなスキルの中で、いち早く習得しておきたいのが「オートリペア」。一定間隔で体力が自動で回復されるようになる。追加で回復速度を上げる「リペアアップ」のスキルも取れれば盤石。
本作は敵の攻撃が激しく、危険なトラップも多く配置されているので、このスキルがあれば大ダメージを受けたとしても挽回が効く。地味に回復アイテムも存在しなかったりするので(※セーブポイントで全回復する仕組み)、探索とパズルを安全に進めていきたいのであれば、迷わず取ることをおすすめする。
手応えを求めるなら……己の信ずる道を征くべし。
マップには「ビーコン」と呼ばれる白い建造物が設置されている。
起動すると、全体マップ画面(ナビ・マップ)にて、起動済みビーコンへのワープ(ファストトラベル)が可能になる。起動した数が多ければ、探索もスムーズに進んでいくので、見かけたら即刻、起動しておこう。
チュートリアルで解説されるが、もしパズルで行き詰まったら、近くにあるピンク色の「特異点」で「タキオン・バースト」を引き起こす(コントロールスティック、十字キーを上に押す)と、その場の環境がリセットされる。
これに合わせて、各オブジェクトに仕込まれた「ナノ・クリスタル」も復活。再取得可能になる。敵も同様で、倒せば「ナノ・クリスタル」が取れる。しかも、プレイヤーが取得したクリスタルは、特異点に入ったとしてもリセットされない。
なので、より多くスキルを取得して保険をかけたいのなら、積極的に特異点に入ってリトライしよう。ただ、「スキルツリー」は新たなアルケー能力を手にしない限り、途中で打ち止めになる仕組みなので要注意。
エリアごとに複数の「ゲート・キー・モジュール」が設置されているが、全部起動しなくてもボスの元へ行けるようになっている。基本的に4~5つ起動すればボスへの道が開かれたと思って行動すれば、テンポ良くストーリーを進めていけるはず。
ただ、ボスの部屋の前にもパズルが用意されている。油断は禁物。
ゲームが進むと現れる新たな仕掛け「謎の白い液体」……じゃなくて「反射樹脂」。これを浴びたガレキは弾力性のある球体(ゴムボール)になり、地面に設置し、上から乗っかれば大ジャンプできる。
また、オブジェクトに球体を横から当てれば、対象に弾力が加わり、大きく横に動く。当てる時は直接攻撃ではなく、球体を離す操作(※Nintendo Switch版の場合はLボタン)で当てる形になるので、手違いに注意。
恐らく、初めてプレイした人のほとんどが「どうやって倒すの!?」と戸惑うほど、俊敏な動きに戸惑うと思われる。
ダメージを与えるには、ここまでの道中に出くわす「ガードパーツ」を装着した敵(※赤いオーラをまとった敵)同様、ガレキを沢山リコールして、ボスのオーラが青くなったら、そのままカタマリで直接殴ればいい。
ガレキはボスが投げてくる剣をパンチで破壊すれば散らばる。だが、その状態ではリコールできない。そうするにはボスがフィールド中央に来た時に行う「チャージ斬り」をパンチでキャンセルさせればいい。
成功すると剣が地面に落下。
そのまま剣を破壊すれば、散らばってたガレキがリコール可能になる。
キャンセルのタイミングとしてはボスの掛け声(「ヤアーーッ!」)が切れる瞬間、剣をパンチで攻撃すればいい。ただ、正直な所、かなり際どい所を狙う形になるので、トライ&エラー覚悟で挑むことをおすすめする。
最終的に3発当てれば倒せるので、諦めない精神で挑もう。
そのほか、本作はパズルにおいて物理法則が働く関係で、正しい手順に則って解いたはずが、思わぬ動きをして失敗してしまうことがあったり、時には無茶苦茶なやり方が答えに繋がってしまう”ウルトラC”が起きることもある。
つまるところ、答えは決して1つではない。
色んな可能性を考え、そして大らかな気持ちでパズルに当たっていこう。
極端に1つの答えにこだわって行動すると……精神的にも良くないぞ。
ちなみに本編にはこれ以外にも多くのボスが登場する。もし、全ボスの攻略情報が欲しいとの希望があれば、専用の攻略記事を検討するので、記事最後のコメント欄にてご意見いただければと思う。
そんなこんなで、『GIGA WRECKER ALT.』の魅力などの紹介は以上だ。特にアクションゲーム……パズル系、探索型がお好きならぜひ、手に取ってみていただきたい。
ちなみに本作、国内の家庭用ゲーム機界隈では、久しぶりに他機種展開が行われるゲームフリーク作品となる。
海外では2015年にPlayStation 4、Xbox One、PC向けに『TEMBO THE BADASS ELEPHANT』という、ゾウが主人公の横スクロールアクションゲームをセガとのコラボレーションで制作し、販売しているのだが、こちらは日本未発売。
国内だと1999年、20年前に発売されたPlayStation専用ソフト『クリックメディック』というアドベンチャーゲーム以来になる。
ポケモンのこともあって、その印象が強いゲームフリーク。近年は「ギア・プロジェクト」と称した、黎明期を思わせる完全新作も多く作られている。
本作も、そんなプロジェクトから誕生した作品だ。
もし、ポケモンの印象を強くお持ちであれば、本作を通して、ちょっぴり違う(というよりは昔ながらの?)ゲームフリークを味わってみるのも一興。あえてPS4、Xbox One版で遊んでみるのもオツなので、本体をお持ちであればどうぞ。
もちろん、Nintendo Switchでもよし。
ただ、繰り返しになるが、PS4、Xbox One、Nintendo Switchのダウンロード版は10月29日以降から配信開始となる。24日時点ではNintendo Switchのパッケージ版しか選択肢がない。ダウンロード版をお求めなら少しの間、我慢しよう。
【ゲーム情報】
タイトル:『GIGA WRECKER ALT.(ギガレッカー オルト)』
発売元・開発元:レイニーフロッグ / ゲームフリーク / Rising Star Games
対応ハード:Nintendo Switch / PlayStation 4 / Xbox One
ジャンル:ガレキアクション
価格(パッケージ版):5,400円[税別](コレクターズ・エディション)、3,500円[税別](通常版)
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