2019年4月18日より、アクションシューティングゲーム『Cuphead(カップヘッド)』のNintendo Switch版、並びにXbox One、PC版の日本語対応アップデートがいよいよ配信開始となります。
カナダの独立系ゲームスタジオ「Studio MDHR」が7年もの歳月を費やし、制作者の実家を抵当に入れて資金を捻出しながら作り上げた本作は、1930年代のディズニー作品を意識した全編手作業、1枚単位で描かれたアニメ(カートゥーン)同然のグラフィックが最大の特徴。まさに「動かせるアニメ」とも言えるゲームで、その可愛らしいキャラクター達も相まって、大きな注目を集めました。
2017年9月29日、本作は日本を含む全世界でXbox One、PC向けに発売されました。ですが、残念ながら日本語非対応。物語を楽しむには、英和辞書がなくてはなりませんでした。ですが、本日より全編日本語で楽しめるようになります。
今回の日本語版の展開と共に、初めてゲームに触れる方は少なくないかもしれません。特に日本国内ではキャラクターの人気が高く、ゲームを全く遊んだことのない女性からも支持されているとの話があるほどです。
率直に言いまして、『Cuphead』はプレイする前に心構えが必要なゲームです。何故なら、すごく難しい。アクションゲームが苦手か、好きじゃないなら、軽い気持ちで挑戦するとヤケドします。冗談でもなく。
それでもどんなゲームかを知りたい、できる範囲まで遊びたい気持ちがおありなら、これより記す本作の情報を参考にしていただければと思います。少しでも初めてプレイした時に受ける戸惑いを抑えられる……はずです。
『Cuphead』は、横スクロールのアクションシューティングゲームです。主人公のカップヘッドとマグマンの兄弟を動かして、行く手を邪魔する敵を倒しながら仕掛け満載のステージを進んだり、巨大なボスと対決したりしていきます。
カップヘッドとマグマンは、指から放たれる「ショット」を武器に敵と戦います。これをマシンガンのように撃ちながらステージを進んだり、ボスと戦うのが基本的な遊び方です。
このようなゲームは、古くから「ラン&ガン」と呼ばれています。言葉通り「走りながら撃つ」ゲームです。似たようなゲームで代表的な作品としては、コナミの『魂斗羅(コントラ)』シリーズ、SNKの『メタルスラッグ』シリーズ、そしてセガ(トレジャー)の『ガンスターヒーローズ』などがあります。
『Cuphead』は、例に挙げた3つの作品に最も近いゲームです。実際に本作を制作した「Studio MDHR」のスタッフも、本作を制作する上で着想を得たゲームとして名を挙げていて、他にも『スーパーマリオワールド』、『ストリートファイターIII』、『ロックマン』、『忍者龍剣伝』などにも影響を受けたと語っています。
■参考文献:Cupheadの生い立ちとインスピレーション、制作手法(Made with Unity公式サイト内)
特に『ロックマン』は、弟のマグマン(Mugman)は海外のロックマン(Megaman)を文字った名前になっていますので、シリーズを知る人ならニヤリとしてしまうところです。
ですが、ゲームは先ほどに申しました通り、『魂斗羅』、『メタルスラッグ』、『ガンスターヒーローズ』に近いものです。『ロックマン』とはひと味どころか、ふた味も違うゲームですので、似たようなものと思い込んで挑まないようご注意ください。(ただ、ゲーム中に同作を彷彿とさせる要素がありますけどね)
「ワールド」ごとに用意された「ステージ」を攻略していきます。「ステージ」には2種類の異なる内容のものが用意されているのですが、これについては後述します。
最終的な目標は、『デビルのカジノ』のオーナー「デビル」から命じられた、カジノから逃げ出した債務者達の魂を回収することです。
乱暴に言いますと、全員のタマをぶっこ抜くということです。
……少々、乱暴すぎましたでしょうか。ですけど、それが目標なのです。頑張りましょうね。
ゲームを始める前に、コントローラの設定を変更することをおすすめします。
特に「ダッシュ」をL、またはZLボタンに変更することをオススメします。なぜなら、本作ではダッシュを多用するので、(Nintendo Switch版の場合)Xボタンのままだとちょっと使い勝手が悪いんですよね。個人の好みではありますが、本作をクリアした筆者からのオススメということでお試しあれ。
ちなみに、ゲームを始めるとキャラクターの動かし方を学ぶ説明が始まります。
ここで「ダッシュ」は、ジャンプ中にも出せるということをよく覚えておきましょう。後述する「ラン&ガン」ステージで、普通にジャンプしても届かない場面にぶつかったとき、大きな解決策になります。
また、これも説明で紹介されますが「パリィ」という、ピンク色の敵、攻撃(弾)を受け流す(無効化する)アクションはとても大事です。基本的にジャンプして、ピンク色の敵や攻撃(弾)にキャラクターが重なる直前にジャンプボタンを押せばパリィ成功となり、追加のジャンプが発生します。タイミングが難しいので、最初は上手く決められないかもしれませんが、覚えればボスとの戦いでとても有利です。説明で紹介されるアクションの中でも、特に練習しておきましょう。
先ほど触れました通り、本作には2種類の「ステージ」があります。
■ラン&ガン
「走りながら撃つ」、横スクロールのステージです。
ゴールを目指します。
■ボス戦
巨大ボス(債務者)と戦うステージ。
倒せばステージクリアです。
他に「霊廟」という、小さなステージが存在します。
全体の比率は、「ラン&ガン」が全体の2割、残り8割は「ボス戦」。
そのことからも明らかな通り、本作はボス戦を楽しむゲームといっても過言ではありません。ボス=債務者のタマをぶっこ抜くのが目的なので、仕方がないのです。あ、もういいですか? すみません。
基本は撃ちながら走る。
道中、多くの敵が出現するので、しっかり1体ずつ倒しながら前進していきます。
ですが、敵は次々と出てきますので、あまりゆっくり進むと逆に追い詰められます。ある程度数を減らして、隙を突いて前に進んでいくというパターンがおすすめです。
注意すべき点として……これはボス戦も同じですが、3回ダメージを受けるとダウンしてしまいます。しかも、回復させる手段はありません。さらにもうひとつ、ダメージを受けてまもなく、敵とぶつかったり、攻撃を受けたりするとすぐにダメージを受けてしまいます。ダメージを受けた後の無敵時間が短いのです。そのため、ダメージを受けたあとの立ち回りに気をつけないと連続ダメージを受けて、あっという間にダウンしてしまいます。
追いうちをかけるように、「ダウンするとステージの最初からやり直し」なのです。途中から再開できる「中間地点」は存在しません。なのでクリアが大変なんですね。ですが、最初からやり直すこと自体は無限にできますのでご安心を。
よって、走りながら撃つことを心がけつつ、敵の動きにも注意を払うことが重要です。焦りは禁物。だけど、無暗な突撃もダメ。何度もやり直せるのを活かして、諦めず何度も挑んでいくのが重要です。
合言葉は……「百万回やられても、負けない!」。(By:超魔界村R)
「ラン&ガン」のステージには、5つの「コイン」が置かれています。この「コイン」を手に入れることで、ワールドマップ上にあるお店で新しいショットと必殺技、そしてお守りを購入できます。
「コイン」は基本、ステージに1個限りですので、一度手にしてしまうと後から入手できません。より、多くのコインを持ちたい場合は、新たな「ラン&ガン」ステージに置かれたコインを獲得することになります。よって、お店でアイテム類を買う場合はそれぞれの効果と残りコイン数をよく考えた上で判断することをお薦めします(筆者おすすめのショット&お守りは後述)。
ちなみにコインは「ラン&ガン」ステージ以外にワールドマップ上でも手に入り、ゲームスタート序盤の橋の近くにいるリンゴのキャラクターに話しかけると、3枚のコインをもらうことができます。(最初の説明でも、1枚手に入ります)
他にもキャラクターの頼みを聞いたり、怪しい所を探ることで、秘密の1枚が手に入ります。気になったら、くまなくチェックしてみましょう。
ゲームを始めて間もない頃でしたら、「チェイサー」のショットは特におすすめです。先ほどの手順を踏むことでコインが4枚集まりますので、真っ先にこれをお店で買いましょう。このショットはプレイヤーの周りを守るように旋回する弾を4発発射し、敵に当たるまで残り続けますので、「ラン&ガン」ステージでは大活躍します。
ただし、威力は全6種類のショットの中で最も低いので、その点はご注意を。
ある程度、ゲームに慣れてきたら「チャージ」と「ブーメラン」がおすすめです。前者はショットボタン押しっぱなしで高威力のチャージショットが撃てる『ロックマン』風の武器。特にボス戦で活躍します。
後者は文字通り、発射した後に弾が後ろへと飛んでいく変わったショットです。威力は全六種類のショットの中で2番目に高く(1番目に高い武器は別にあるのですが、クセが強い)、これもまたボス戦で重宝します。前方への飛距離が短いため、扱い方にコツがいりますが、慣れてくれば対ボス戦向けの特攻武器として活躍してくれます。
「お守り」に関しては、始めて間もない頃でしたら、体力の最大値をひとつ上げる「ハート」がお薦めです。しかし、基本的に体力の最大値を上げる「お守り」には、ショットダメージを5〜10%下げるマイナス効果が付きます。それはすなわち、ボス戦の長期化を招くことになるので、使う場合はご注意を。
なお、手に入れたアイテム全般はメニュー画面で装備しなければ意味を成しません。お店で買った後は、必ずメニューを開き、各スロットに武器、必殺技、お守りをセットしましょう。
ショットを撃ち続けてボスにダメージを与えつつ、攻撃を回避していくのが基本です。
しかし、どのボスも初戦で倒せるほどやさしくありません。
まずは負けること前提で、ボスの動きを観察することをおすすめします。
本作のボスは攻撃時、必ず予備動作を見せます。目の色や表情を変えたり、腕を引っ込ませたり、口を動かしたり、実に様々です。
これらの予備動作を覚え、どんな攻撃を仕掛けてくるのかを覚えることで、攻撃への対処ができるようになっていきます。それでもボスの攻撃は早いため、回避するだけでもひと苦労ですが、予備動作を見せた時、こちらが先んじて行動する(ジャンプしたり、移動したり)と回避につながることが多々あります。
ピンク色の攻撃にも注目です。これらは「パリィ」で無効化できます。そして、これらを無効化することで、ボスに大きなダメージを与える「EXショット」を撃てる回数を増やせます。画面左下、体力(HP)右隣のトランプが回数を示しています。また、トランプの枚数が最大に達すると、「必殺技」を撃てます。(※「必殺技」は「霊廟」というステージをクリアすると手に入ります)
敵の攻撃を読みつつ、ピンク色の攻撃は確実に「パリィ」。そして、ここぞという時に「必殺技」。
この戦術を基本に立ち回れば、ほぼ全てのボスと対等に勝負できます。
ちなみにボスによっては、飛行機に乗っての空中戦(シューティング)になることもあります。こちらの場合も基本的な戦い方は一緒ですが、「パリィ」は飛行機を回転させる「ローリング」のアクションに変わります。こちらもタイミングが難しいですが、接触少し前のタイミングでボタンを押すと上手く決められます。
「必殺技」も飛行機がミサイルに変形して体当たりするという攻撃に変化します。体当たり中はプレイヤーが操作することになるので、ちょっとコツが必要です。このボス戦も最初のワールドから登場しますので、負けること前提で練習しておきましょう。
ボス戦ステージは「ラン&ガン」と違い、難易度を選べます。「シンプル」ですと、ボスの変身(※本作はダメージを与えるたびにボスの姿が変わっていきます)の回数が減って少しだけ簡単になるので、最初はこちらで戦ってみるといいでしょう。
ですが、「シンプル」ですとボスの魂を取れません。ネタバレになりますが、とても重要なことなのでお伝えしておきます。
一つでも「シンプル」だけでクリアしたボス戦があると、最終ステージに入れません。
よって、どのボスも「レギュラー」で倒すことが本作クリアの条件となります。
簡単だからと言って「シンプル」で満足してしてはいけません。タマのぶっこ抜きを依頼した主は悪魔なのです。慈悲はありません。
繰り返しになりますが、『Cuphead』はアクションゲームとしては非常に難しい部類に入ります。ですが、決してクリアできないほどのものではなく、諦めずに挑戦することで少しずつ突破口が見えてくる、フェアな高難易度にまとめられています。
本作独自のシステムで、どのステージでもミスすると、自分がどこまでステージを進んだか、ボスを追い詰めたかの「進行状況」が表示されます。なかなか勝てなくても、これが少しずつ進んでいるのなら、勝機は確実にあります。
先ほども用いた、他のゲームの受け売りですが、「百万回やられても、負けない!」の精神で挑み続けることが大事です。なかなか進めない、ボスを追い詰められないと感じたら、一旦休憩したり、時にはセットしている装備を見直してみましょう。
長くなりましたが、今回の日本語版で初めて『Cuphead』をプレイされる方へ、これらの情報が攻略に当たっての参考となり、沢山のタマをぶっこ抜く成果に繋がってくれれば幸いに思います。物騒な言葉を用いましたけど、そういうストーリーなのですから仕方がないということで、何卒ご容赦を。そして、最後に本作のクリアを目指すに当たって重要なヒントをひとつ。
悪魔の誘いに乗っちゃいけませんよ……。
【ゲーム情報】
タイトル:『Cuphead』
発売元・開発元:Studio MDHR(※日本語ローカライズ:GameTomo)
対応ハード: Xbox One / PC / Nintendo Switch
ジャンル:アクション
価格:1,980円[税込](Nintendo Switch / PC)2,350円[税込](Xbox One版)
関連リンク:
■マイニンテンドーストア:商品&購入ページ(Nintendo Switch)
■商品&購入ページ:Xbox One版(Microsoft Store内)