ついに劇場公開が明日に迫った『コードギアス 復活のルルーシュ』。今回は「『コードギアス』って何?」「何がそんなに面白いの?」「気になってるけどどこから観ればいいか分からない!」といった方のために、本作の解説及び魅力についてお伝えしたいと思います。シリーズファンの方が過去作を復習するのにも役立つ内容になっているので、最後まで楽しんでいただけたら幸いです。
1.『コードギアス』の世界設定・ストーリー
『コードギアス』は『コードギアス 反逆のルルーシュ』から始まったシリーズ作品。舞台は僕たちが生活する現実世界に少し似ている、けれど結構違う世界。“日本”という国や“E.U.”と呼ばれる地域はあるものの、部分的に架空の国が存在していたり、“ナイトメアフレーム”と呼ばれる二足歩行ロボットの技術があったりします。この世界では強大な軍事力を持つ「神聖ブリタニア帝国」が多くの国々に侵略を行っており、日本もブリタニアの植民地にされています。そして日本人は「11(イレブン:11番目の植民地の意味)」と呼ばれ、ブリタニア人から差別を受けているのです。
主人公の“ルルーシュ・ランペルージ”は、日本にあるブリタニア人のための学校「アッシュフォード学園」の生徒。頭脳明晰で容姿端麗、人当たりも良いということで学友から慕われている彼ですが、その正体は神聖ブリタニア帝国の第11皇子で、本来の名前は“ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア”。ルルーシュが目指すのは父親でありブリタニアの皇帝でもあるシャルル・ヴィ・ブリタニアへの復讐と、そのためのブリタニアの国家転覆。
ある事件に巻き込まれた際、自分の命令に一度だけ他人を従わせることができる異能の力「ギアス」を謎の少女“C.C.(シーツー)”から与えられたルルーシュ。事件の最中、成り行きでブリタニアを憎む日本人テロリストたちに手を貸した彼は、仮面を被り“ゼロ”と名乗って、テロリストたちの指導者に成り上がります。持ち前の頭脳と、戦略家・策略家としての才能、そして異能の力「ギアス」を武器に徐々に協力者を増やし、ブリタニアへの“反逆”を行っていくのです。
そしてもうひとりの主人公と言えるのがルルーシュの幼い頃からの親友、“枢木スザク(くるるぎ すざく)”。彼は日本人でありながらブリタニアの軍隊に志願し、差別を受けながらも正しい方法でブリタニアを内側から変えようと努力します。曲がったことが出来ない誠実な性格であり、優れたナイトメアフレームの操縦者でもあるスザク。彼と目的のためには手段を選ばないルルーシュは、お互いの正体に気づかないまま、幾度となく対立することになってしまいます。
ルルーシュとスザク、そしてたくさんの魅力的なキャラクターたちの想いが交錯し、紡がれる壮大なピカレスクロマン、それが『コードギアス』シリーズなのです。
2.『コードギアス』の魅力はココ!
■アンチヒーロー,ロボットバトル,異能力,学園,恋愛要素…ジャンル山盛りの贅沢アニメ
『コードギアス』は様々なジャンルの魅力がどっさり詰まった贅沢なごった煮アニメ。単純な勧善懲悪ではないピカレスクロマン、あるいはアンチヒーローものですが、『機動戦士ガンダム』シリーズなどと同様、アニメ制作会社サンライズが手掛けた作品だけあって、ロボットバトルにも力が入っています。ルルーシュはパイロットとして優れている訳ではなく、あくまで戦略家なので後方からの指示がメインである点、戦場をゲームのように考え、時として味方を捨て駒として切り捨てることにも躊躇いがない点は、ロボットアニメとしては珍しく、独自の魅力と言えるでしょう。
シリーズ第1作目『コードギアス 反逆のルルーシュ』中盤からはルルーシュ以外の「ギアス使い」も登場、「人の心を読む」「自分以外の者の時間を止める」「少し先の未来が見える」などそれぞれ異なる能力を有しており、異能力者同士の駆け引きという要素もあります。
またアッシュフォード学園での人間関係も丁寧に描かれており、学園を舞台にしたエピソードでは、コメディ的なおはなしも多数。加えて学園での心優しいルルーシュ、ゼロとして暗躍するルルーシュ共に魅力的な女性キャラクターに慕われており、ややハーレム気味な恋愛モノとしての要素もほんのりと備わっているのです。
様々なジャンルを内包する『コードギアス』ですが、それぞれの要素が互いの魅力を引き立てあっているのも本作の素晴らしい点。学園生活があるからこそルルーシュが本来、大切な人に対しては優しい少年であることが分かりますし、そんな穏やかな生活がいつか脅かされるかもしれない緊張感も作品のスパイスになっています。
■一度観始めたら止まらない! 絶妙な“引き”による中毒性の高さ
『コードギアス』ほど一度観始めたら続きが気になってなかなか中断できないアニメはあまりないのではないでしょうか。頭脳明晰で計算高いルルーシュですが、相手は軍事大国のブリタニア。敵の装備がルルーシュの予想を上回るスペックだったときや、スザクをはじめとした思わぬ伏兵が登場した際、彼の戦略はいともたやすく覆ります。それまで余裕綽々で高みの見物を決め込んでいたルルーシュが頭を抱えて焦り出し、そして物語は次回に続く! といった展開は『コードギアス』シリーズの御家芸。そんなピンチを彼がどう切り抜けるのか、毎回非常に気になってしまいます。戦闘以外にも、ゼロの正体がバレそうになったり、ルルーシュのうっかりミスで取り返しのつかないことになったり……本作の各エピソード終了時の“引き”は強烈な上にバリエーションも豊かで、多くの視聴者は飽きることなく次のエピソード、また次のエピソードと視聴を続けてしまうことでしょう。
■ルルーシュをはじめとした魅力的なキャラクターたち
味方を戦いの駒のように扱うなど冷酷な一面もあるルルーシュですが、そもそも彼が父親への復讐を企てたのは妹であるナナリーの幸せのため。学園の友人やスザクも含め、情が芽生えた相手には人一倍優しいのもまたルルーシュが持つ顔のひとつで、このアンバランスさからは彼の年相応の幼さが見て取れます。この「大切な人たちへの優しさ」が、最終的にルルーシュを復讐の先にある「新たな目的」へと駆り立てるのですが……それが何なのかはぜひその目で確かめてください。
ルルーシュ以外も、『コードギアス』のキャラクターは皆とても魅力的に描かれています。ゼロと手を組むテロリスト集団“黒の騎士団”のエースパイロット“紅月カレン”は、絶望的な状況から救ってくれた“ゼロ”への忠誠心と、彼の正体がルルーシュだと知ってから芽生えた感情との狭間で揺れます。ルルーシュと共犯関係にあたるC.C.の、時にからかい、時に優しく寄り添ってくれるなどのミステリアスな振る舞いには、憧れを抱く視聴者も少なくないでしょう。そんな魅力的なキャラクターたちの思惑が入り乱れ、協力し合い、利用し、対立するなどして関係性が変わっていく人間模様も本作の見逃せないポイントとなっています。
3.これから『コードギアス』に触れるには?
現在、アニメ作品としての『コードギアス』には、大きく分けて3つの流れがあります。
①TVアニメシリーズ
第1期『コードギアス 反逆のルルーシュ』(全25話)
第2期『コードギアス 反逆のルルーシュR2』(全25話)
概要:原点となるTVシリーズ。『~R2』は第1期最終回から1年後が舞台で、記憶を改竄されたルルーシュが再び皇帝シャルルに挑む。
②スピンオフ作品『コードギアス 亡国のアキト』
第1章 「翼竜は舞い降りた」
第2章 「引き裂かれし翼竜」
第3章 「輝くもの天より堕つ」
第4章 「憎しみの記憶から」
最終章 「愛シキモノタチへ」
概要:日向アキトを主人公に、TVシリーズ第1期、第2期の間にE.U.で起きた出来事を描いたスピンオフ作品
③劇場総集編3部作+『コードギアス 復活のルルーシュ』
コードギアス 反逆のルルーシュI 興道(こうどう)
コードギアス 反逆のルルーシュII 叛道(はんどう)
コードギアス 反逆のルルーシュIII 皇道(おうどう)
コードギアス 復活のルルーシュ
概要:旧TVアニメシリーズに新作カットを追加し、一部ストーリーを変更した総集編3作品及び、この3作に続く完全新作『復活のルルーシュ』。
明日から公開される新作映画『コードギアス 復活のルルーシュ』を鑑賞するならば、ぜひ先に視聴しておいて頂きたいのは「③劇場総集編3部作」。なぜなら『復活のルルーシュ』ではこの3部作から繋がるストーリーが描かれるからです。
劇場総集編3部作は、TVシリーズでは物語の途中で死亡したキャラクターが生存していたり、意味深な新規カット及び新規台詞が追加されているなど、『復活のルルーシュ』に向けた変更点が多数存在します。
TVシリーズの『コードギアス 反逆のルルーシュR2』と、劇場総集編3作目の『皇道』は、ほとんど同じ結末。ですが、少しだけ異なる世界なのです。そして『皇道』のラストでルルーシュが去った後の、誰も観たことのない全く新しいコードギアスこそが『復活のルルーシュ』。3部作を鑑賞の上、劇場に足を運ぶことをおすすめします。
■「反逆のルルーシュ」シリーズ作品を視聴できるサイト
シリーズを各配信サービスで視聴可能になる日時は下記URLを御覧ください。
『コードギアス 復活のルルーシュ』公式サイト:「反逆のルルーシュ」視聴方法
http://www.geass.jp/R-geass/howtowatch.php
見放題サービスで劇場総集編3作目『皇道』が配信されるのは約1ヶ月後の3月10日。いち早く劇場総集編3部作を観て、『復活のルルーシュ』の鑑賞に向かいたい方は、アマゾンビデオなどの都度課金で購入してしまうことをおすすめします。
『コードギアス』シリーズは様々な面白さが詰まった素晴らしいシリーズ作品です。1作目の放送開始から13年が経とうとしている今でも変わらぬ魅力を放ち続けています。劇場総集編3部作、そして完全新作『復活のルルーシュ』を気に入っていただけた方には、ぜひTVシリーズもご視聴いただけたらいっそう嬉しく思います。
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