『スパニッシュ・アパートメント』(01)や『おかえり、ブルゴーニュへ』(17)など、都会や田舎を舞台にごくありふれた人々とその日常を映し出してきた現代フランス映画界を代表するセドリック・クラピッシュ監督の最新作『パリのどこかで、あなたと』が、12月11日(金)より全国順次公開されます。
本作は、SNSでは埋められない孤独や仕事に対する不安を抱える男女が、葛藤しながらも過去を受け入れ前進する姿を描いた物語。都会に暮らす大人たちが抱える悩みや寂しさを、パリを舞台に不器用に生きる2人の男女を通して丁寧に映し出している。
国際色豊かな人々が暮らすパリの街で、電車で隣同士に座るアナ・ジラルド演じるメラニーと、フランソワ・シヴィル演じるレミー。冒頭から、まだ知り合っていない2人が何度もすれ違うたくさんの“ニアミス”が映し出される。
メラニーは、がんの免疫治療の研究者。「最近、眠気がひどくて」と、同僚に悩みを打ち明ける。「14時間寝る時もある。ヘンですよね?病気かも」と真剣な顔のメラニーだが、同僚の「心が原因では?」というアドバイスに、「そんなの信じるんですか?」と半信半疑。一方、倉庫で働くレミーは、ロボットの導入により人事異動が行われることになり、「昇進を頼んでやった」と上司から声をかけられる。「僕の?」と驚くレミーだったが、一緒に働いていたほかの同僚たちは解雇されてしまうと知るも、自分だけが昇進することを同僚たちに言えず、「さあ、まだ決まっていない」とつい誤魔化してしまう。
仕事からの帰り道も、気付かないまま同じ電車に乗るメラニーとレミー。それぞれ悩みや不安を抱え、鬱屈とした日々を過ごす2人は、隣同士のアパートメントへと帰っていく。パリ、モンマルトルの美しいサクレクール寺院を背に、それぞれの部屋のバルコニーからパリの街を見下ろし物思いにふける2人の姿は、現代の”都会”で生きる若者の孤独を体現している。
冒頭からニアミスを繰り返す、まだ知り合っていないメラニーとレミー。同じように悩みを抱える2人の人生が交わることはあるのか?また、その出会いは2人の人生を変えるものとなるのか?2人を導く運命の出会いは、“心安らぐ本当の愛”とは一体何なのかを見つめ直すきっかけを与えてくれる。『パリのどこかで、あなたと』は、いよいよ今週末12月11日(金)より全国順次公開。
パリの隣り合うアパートメントでひとり暮らしをしている30歳のメラニーとレミー。がんの免疫治療の研究者として働くメラニーは、元恋人との恋愛を引きずりながらも仕事に追われる日々を過ごしていた。一方、倉庫で働くレミーは、同僚が解雇されるも自分だけ昇進することへの罪悪感とストレスを抱えていた。その影響から、メラニーはいくら寝ても寝足りない過眠症に、レミーは眠れない不眠症に苦しむ日々が続き、2人はそれぞれセラピーに通い始める。
そんな中、友人からマッチングアプリを勧められたメラニーは、出会った男性たちと一夜限りの関係を繰り返していたが、過去の失恋で空いた心の穴を埋められずに思い悩む。かたや、元同僚への罪悪感を抱えながら孤独な日々を送るレミーは、職場で出会った女性とデートをするも、うまく距離を縮めることができない。
都会の喧騒の中で、同じ電車に乗り、同じ店で買い物をして、同じように孤独を埋められない2人は、道ですれ違うことはあっても知り合うことはない。世界で最も美しい街・パリに住む2人の人生が交わることはあるのか? そして、その出会いは2人の人生を変えるものとなるのか?
タイトル:『パリのどこかで、あなたと』
監督:セドリック・クラピッシュ
脚本:セドリック・クラピッシュ、サンティアゴ・アミゴレーナ
出演:アナ・ジラルド、フランソワ・シヴィル ほか
提供:木下グループ
配給:シネメディア
2019年/フランス/111分/原題:Deux Moi/英題:Someone, Somewhere
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