よお、アミーゴ。ゴールデンゲームハンマーの時間だ!
今回は『ファークライ5』をピックアップするぜ!
2018年の3月、肉の日に発売されたイカしたゲームだ。
PlayStation 4とXbox One、それとパソコンで絶賛発売中だぜ。
だが、今回紹介するんは『ファークライ5』であって『ファークライ5』じゃねえ!
なに言ってるんだかサッパリクッキリ分からない?
そうだな!ある日突然、アメリカの片田舎から火星に降り立ってた!
そんぐらいよく分からない例えだったかもしれないな!
ところがどっこい、言っている通りなんだ。
火星に降り立ち、宇宙のカニやコウモリどもと戦ったり、このオレサマ”ハーク”と力を合わせ、ナイスバディでキュートな人工知能だとか名乗る「アン」を助けて地球を救う『ファークライ5』。
その名も『ロスト・オン・マーズ』ってのが、今回のゲームなんだ!
……ってことで、こっから先はいつもこれを書いてるヤツに任せるぜ!
面倒臭い説明は苦手だからな!ニコラスと共に火星で待ってるぞ!
そんなこんなで、どうもこんばんは。
もしくはおはようございますか、こんにちはでしょうか。
連載の書き手でございます。
火星に転送されたハークさんに変わり、いつものように作品紹介をしてまいります。
ということで『ロスト・オン・マーズ』です。
本作は2018年3月29日にPlayStation 4、Xbox One、PC向けにユービーアイソフトより発売されたオープンワールドのファースト・パーソン・アドベンチャーゲーム『ファークライ5』の有料ダウンロードコンテンツ(DLC)。
『ファークライ5』は発売後の展開として、3つのスペシャルエピソードが順次配信されていくことが告知されていた。本作こと『ロスト・オン・マーズ』はその2番目のエピソードとして、2018年7月17日に配信された。販売形式は単体に加え、他2つのエピソードに加えてリマスター版の『ファークライ3』も付いてくる「シーズンパス」、そしてシーズンパス内包の『ファークライ5』製品版「ゴールド・エディション」も用意されている。言うまでもないが、『ファークライ5』のDLCなので、同作の製品版が無ければ遊べない。このDLC単体を買っても動作しないので、あらかじめご注意を。
前置きはこの辺にして、肝心の内容は『ファークライ5』本編同様、広大なオープンワールドのフィールドを進みながら、各地に用意されたミッションを遂行していくものだ。しかし、このエピソードで舞台となるのは「火星」。太陽系第4惑星のあの「火星」である。人間の脳内エンドルフィン抽出術に長けた宇宙人の故郷らしいあの星である。「誰が火星人やねん!」
話が脱線した。というか、別のゲームの話になってしまった。
ともかく、火星が舞台なのだ。
これが何を意味するのか?重力が地球の3分の1程度しかないのだ。
そのため、飛んだりすればフワッと浮く!
地球の重力では到底不可能な長距離ジャンプ、低速落下ができてしまうのである。
さらに「重力ベルト」なる装備を獲得すれば、一定時間、空に浮いたり、さらなる長距離ジャンプも決めれる!このような無重力ならではのアクションができ、本編の『ファークライ5』とは一味も二味も違う立ち回りが楽しめる。
また武器もピストル、マシンガン、ショットガンなどが用意されているが、いずれも光線弾を放つSF系。弾もエネルギーチャージ式になっていて、実質、無限に撃ちまくれる仕組みだ。当然、爆弾ことグレネードも宇宙基準の特別仕様だ。
対する敵も人間ではない。地球侵略を目論む「宇宙ガニ」、いや「クモ型生命体」……じゃなくて「エイリアン」……って、どっちでもええわ!そんなグロテスクな奴ら相手に戦っていくことになる。
倒せば「宇宙汁」をゲット!宇宙汁は新たな武器、アイテムの生成に必要な通貨に当たるもので、各地にあるアンテナを始めとする施設の「3Dプリンター」で生成できる。始めは僅かな武器、アイテムしか作れないが、施設の解禁と共に「設計図」が手に入ると同時に色々作れるようになっていく感じだ。この辺は『ファークライ5』本編とも共通している。
以上、ザックリだが、一言でまとめると宇宙仕様のファークライとも言うべき内容だ。システム周りもプレイヤーの強化はアイテムと宇宙汁のみで行うなど、コンパクトに整理された作り。それでいて、『ファークライ5』本編を食ってしまうほどの圧倒的な個性と魅力に満ち溢れたDLCに仕上がっている。
本編『ファークライ5』は、終末思想を掲げるカルト教団「エデンズ・ゲート」からアメリカはモンタナ州の片田舎「ホープ・カウンティ」を解放するという、シリアス、且つ狂気を含んだストーリーとなっている。
対し、こちらのストーリーはどのようなものか。
地球侵略を目論むエイリアンをぶっ倒せ!
まあ、なんて分かりやすいのでしょう。
さらに作風もジョーク満載の愉快なものになっている。そもそも、本作でプレイヤーのパートナーを務めるのが「ハーク・ドラフマン・ジュニア」ことハーク。ファークライシリーズの常連キャラクターで、コメディリリーフでもある彼なのだ。そのため、本編では彼のおバカで下ネタも時々含んだジョークが矢継ぎ早に炸裂!
もちろん、日本語吹き替え仕様のフルボイスで!
それもあって、とにかく明るくて楽しい。内容もエイリアンと敵対する人工知能「アン」に呼び出された「ニコラス(ニック)・ライ」が、ある事情で首だけになっちゃったハークと共に火星各地のアンテナを始めとする施設の復旧に挑むというもので、登場人物の少なさ、目的の明瞭さもあって、非常に飲み込みやすい構成になっている。
ちゃんと独立したストーリーとして完結するのも大きな見所だ。どういう締め括りを迎えるのかはプレイしてのお楽しみだが、ジョーク満載の愉快な作風に相応しい結末を迎える。そして、ハークのことが好きになっちゃうだろう。
正直なところ、本編『ファークライ5』のストーリーと結末には色々思うところのある人が多いかもしれない。そんな方こそ、このDLCを遊んでみていただきたい。きっと、その思いが色んな意味で発散されるはずだ。
基本的には火星内に点在する施設へと向かい、「エネルギーコア」なるアイテムを使って再起動していく展開が中心になる。しかし、その前に壊れた施設を復旧するため、修理ロボットを守ることになったり、時にはエイリアンたちの「女王」と呼ばれるボスとの戦いに挑むなど、実に様々なイベントが起きては翻弄される。
また、エネルギーコアは別途集める必要があり、そのために件の女王を倒したり、「地熱異常」のエリアを探索していくことになる。
この「地熱異常」のエリアというのが狂気の塊。なんと異次元空間を舞台にしたイベントが展開されるのだ。浮島から浮島を伝って、『ファークライ5』本編の敵兵である「ペギー」と戦ったり、なぜか崩壊寸前の地下基地(バンカー)から脱出したり、
さらには『ファークライ5』のボスキャラクターのひとりで、主人公ニックの宿敵「ジョン・シード」の”軍団”殲滅に挑むなど、荒唐無稽な展開が連続するのだ。これらの場面で流れる音楽もなぜかチップチューン調で、砕けたノリを演出。当然、ハークもジョークを交えた台詞を喋りまくるダブルパンチ。
いずれも内容は単純なのだが、本編『ファークライ5』とは異なるノリと荒唐無稽もあって、強烈な印象を残すもの揃いになっている。特にジョン・シードの軍団と戦うイベントは必見。この最中にニックがぶちまける台詞には、某奇妙な冒険の読者なら確実に爆笑してしまうはずだ。
重力ベルトの大ジャンプを使って崖を飛び越えたり、高所から降りて飛行状態になる「スペースウィング」を使い、飛行機のごとき高速移動を決めるなど、重力のある地球が舞台の本編『ファークライ5』では到底不可能なアクションが気軽にできるのは痛快の極み。序盤からどこにでも行け、攻略を始められる自由度の高さもピカイチで、各種アクションの魅力を際立たせている。
ただ、「重力ベルト」も「スペースウィング」も、アンテナを始めとする施設再起動に応じて解禁されていく装備。始めから使える訳ではないのでご注意を。
その分、使えるようになってから、大胆なショートカットが可能になる楽しさは格別。特に「スペースウィング」は、本当に飛行機になったような感覚で移動できるので、一度でも味わってみていただきたい。きっと以降はフィールド移動の際、決まってそれを使うようになってしまうはず。(※なお、ファストトラベル機能も万全だ)
メインストーリーはクリアまで大体5~6時間。倍以上の時間がかかる本編よりも短めだ。DLCなので、当然の物量とも言える。しかし、各ミッションの密度の濃さ、女王討伐に火星に来ていた別人物が残した記録(ノート)の回収と言ったサイドミッションの豊富さもあって、物足りなさは全く感じさせない。むしろ、小さくまとまっているので、逆に丁度いいとすら感じさせるボリュームになっている。
特にフィールドは広すぎず、狭すぎずのバランスでまとまっているので、人によっては「こういうのでいいんだよ」的な安心感を抱くかもしれない。軽めのオープンワールド作品ってないかな……とお探しの方にもおすすめだ。
敵もエイリアンということで、人間とは一味違う手ごわさ、怖さを秘めた存在として描かれている。耐久力も高めで、集団で追い詰められた時の絶望感はホラー作品並だ。ソルジャータイプ、アーマータイプ、さらには空を飛ぶコウモリ型(※ハーク談)など、バリエーションもそこそこ多彩で、各ミッションにおける戦闘を盛り上げる。
ただ、コウモリ型は視界外から不意打ちばかり仕掛けてくる上、攻撃力も高めで気付いたらやられていた、なんて事故が起きやすいのは難あり。ボスに当たる女王も武器を一定時間使用不能にする粘液を飛ばしてくるのが厄介で、命中率も高めなのが気になるところだ。難易度「イージー」でも、これが緩和されないのも謎である。
他にセーブデータが1つしか作れず、クリアすると最初からやり直しになるのも煩わしい(一応、ゲーム内で警告こそ出るが)。
正直、独立した作品で成立するほどの魅力を持っているだけに、できればサイドミッション攻略に集中できるよう、セーブ周りには配慮して欲しかったところだ。
いつものように(?)、締めで難点を書いてしまったが、本編『ファークライ5』とは180度異なる作風、火星ならではのアクションとコンパクトながらまとまったストーリーで楽しませてくれる、ナイスなDLCになっている。
先の通り、『ファークライ5』本編の製品版がないと遊べないが、それを買ってでも遊ぶ価値がある。今なら『ファークライ5』はベスト版発売で価格も改訂されているので、お求めになりやすい。別途、支払いは発生するが、ぜひ迷わず突撃いただきたい。火星を舞台にした、新たなファークライとハークがアナタを待つ!
また、ほか2つのDLCエピソード『アワーズ・オブ・ダークネス』、『デッド・リビング・ゾンビ』も本編にはない魅力が詰まった内容になっている。
本DLCが気に入ったら、こちらもどうぞ。
【ゲーム情報】
タイトル:『ファークライ5 ロスト・オン・マーズ』
発売元・開発元:ユービーアイソフト / Ubisoft Montrea / Red Storm / Ubisoft Shanghai / Ubisoft Toronto / Ubisoft Kiev
対応ハード:PlayStation 4 / Xbox One / PC
ジャンル:ファースト・パーソン・アドベンチャー
価格:1,320円[税込](PlayStation 4、PC版)、1,296円[税込](Xbox One版)
関連リンク:
■商品&購入ページ:PlayStation 4版(PlayStation Store内)
■商品&購入ページ:Xbox One版(Microsoft Store内)