2019年11月13日(水)、話題沸騰中の『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』の男性向けトーク付き特別上映イベント「ぼくらもすみっコ応援団!上映会」が新宿ピカデリーにて開催されました。
映画本編の上映終了後、本作の脚本を担当したヨーロッパ企画の角田貴志(すみた たかし)さんと、『すみっコぐらし』の5年来のファンだという朝日新聞記者・影山遼(かげやま りょう)さんを迎えて行われたトークを中心に、このイベントのレポートをお届けします。
【関連記事】
【映画レビュー】『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』は本当に“逆詐欺映画”? 「大人も泣ける」と話題沸騰のアニメーション映画を観に行ってきた!
「男性向け上映会」という触れ込みだったこともあり、座席を埋め尽くしたお客さんは全員男性! 本作の上映においては異例といえる雰囲気の中、まずは映画本編が上映されます。“逆詐欺映画”と話題になるほどの感動作ということもあり、終盤は劇場のあちこちからすすり泣く声が…。『映画 すみっコぐらし』の涙腺破壊パワーは、性別を問わず威力絶大ということが証明されました。
『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』主題歌PV(60秒)
ちなみにトークイベント中に挙手制のアンケートが行われた結果、お客さんの中で本作を今回の上映ではじめて鑑賞した、という方は全体の約8割ほど。やはり“男性向け上映会”ということで、このチャンスに観ようと思い立った方が多かった模様です。一方で、公開から6日しか経っていないにも関わらず、試写会も合わせてすでに4回鑑賞したという筋金入りのファンの方も。
本編が終了すると、角田貴志さんと影山遼さんが登壇し、トークイベントがスタート。
最初のトークテーマはふたりの『すみっコぐらし』との出会い。角田さんは今回の企画の話をもらってはじめて『すみっコぐらし』を知ったとのこと。それから原作となるよこみぞゆりさんの絵本などを読み、イチから作品への理解を深めていったそうです。
一方の影山さんは、新聞記者になって慣れない取材などで心がすり減っているときに、某雑貨店で“ぺんぎん?”のぬいぐるみを発見。「虚ろな目が自分と似ている」と頭から離れなくなり、調べてみてキャラ設定にも強く共感。このぬいぐるみを購入するに至ったのだそう。以来5年間にわたってのすみっコファンなのだとか。
よこみぞゆりさんへのインタビューを行ってからというもの、仕事でも「すみっコぐらし」に関わるようになった影山さん。今回の映画では、普段の生活ではまったく泣かないにも関わらず、やはり終盤で思わず泣いてしまったとのことです。
トークテーマは『映画 すみっコぐらし』の内容に。映画を鑑賞する前、「すみっコたちが喋りだしたら(イメージと違うので)困る」と不安だったという影山さん。しかし実際の映画はすみっコたちは喋らず、井ノ原快彦さん、本上まなみさんらのナレーションでストーリーが語られる形式になっていました。これはよこみぞゆりさんの「すみっコたちの声というのは想像できない」という考えのもと、制作初期に決まった方針だったのだそう。原作チームが監修したことで「100%ファンが求める映画」になったと言えそうです。
【関連記事】
【今日の映画公開スタート】井ノ原快彦、V6メンバーはすみっこ好き!?「センターが嫌いなのかな?」本日11月8日(金)公開の『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』の完成披露試写会で
本作は「脚本の巧みさ」「意外なほどのドラマ性」などが各所で評判を呼んでいますが、角田さんいわくこれもまずよこみぞさんからの「すみっコ+童話」「すみっコが迷子の誰かと会うおはなし」などの提案があり、そこからみんなでアイデアを膨らませていった結果、形になったとのこと。
また、影山さんから本作に「敵」や「悪意を持った人」が出てこないことについて聞かれた角田さんは「特別に気をつけたわけじゃないけれど、すみっコぐらしが最初から持っているものが影響したのかも」と回答。また「泣ける映画」と評判になっていることについても狙ったわけではなく、オリジナルキャラクターの“ひよこ”のことをみんなで一生懸命考えた結果だとしています。
ファミリーや女性に人気の「すみっコぐらし」の映画が男性の心も掴んだ理由について意見を聞かれた影山さんは「かわいい、癒やしというものは性別や年齢を問わない。今回自分が書いた(すみっコぐらしの)記事も、読者の46%くらいは男性だった」とし、「誰もが中心的な役割を担わなくても、すみっこで同じような生き方の人と協力して生きるのもそれはそれで楽しい。そういった認識が広まって男性も自分の趣向を表に出しやすくなっているのではないか」と語りました。
また影山さんは、自分が「すみっコぐらし」の記事を書くようになってから、知人から「実はオレも(すみっコぐらしが)好きなんだ」と連絡が来るようになったというエピソードも披露。世の中には「隠れすみっコ男子」がまだまだいるのかもしれません。
角田さんいわく「まずすみっコファンに受け入れてもらえるものをつくるのが第一」とし、それでいて「『すみっコぐらし』を知らない人も楽しめるもの」を目指して制作されていたという『映画 すみっコぐらし』。
「こんなに話題になると思っていましたか?」という質問には「台詞がないためおはなしが伝わるかさえ心配で、ここまで深く理解して、たくさんの人に観に来てもらえるとは思ってなかったです」と角田さん。これに対し影山さんからは「ストーリーブックを読んで新しい発見があったので、また来週観に行きます」と改めて強い愛を感じさせる発言がありました。
最後にお気に入りのシーンを聞かれた影山さんと角田さん。影山さんは「やっぱりベタになっちゃうのですが、最後にひよこが目に涙を浮かべながらも笑顔になっているところを見て、うぉ! すごいな…! と」と上手く言葉にならないほどの感情の高ぶりを表現。角田さんは「たぴおかが画面の端でチューチュュートレインをしていたりといった小ネタを、僕も書いたし、監督も好きなようにやっていたと思うので、そこに注目してください」とアピールしました。
トークが終わると、今後行われる特殊な上映についての告知が。まず11月15日(金)~21日(木)までの一週間は全国のイオンシネマで「家族であんしん上映会」が行われるとのこと。こちらは上映中の照明がやや明るめで、映画の音量がほんの少し小さめ。お子さんが泣き出したり騒いだり、おしゃべりしてもOKという親子連れのお客さんに優しい上映会となっています。
もうひとつは今回のイベントでも会場となった新宿ピカデリーで11月22日(金)に行われる「“すみっこたち、かわいい”って言い放題♡応援上映会」。こちらは発表されると、客席から喜びのどよめきが湧き上がりました。『映画 すみっコぐらし』を観ながら、すみっコたちへのときめきを声に出して言えちゃう貴重な機会を、お見逃し無く!
11月8日(金)より全国の劇場にて上映中!
ある日すみっコたちは、お気に入りのおみせ「喫茶すみっコ」の地下室で、古くなった一冊のとびだす絵本をみつける。
絵本を眺めていると、突然しかけが動き出し、絵本に吸い込まれてしまうすみっコたち。絵本の世界で出会ったのは、どこからきたのか、自分がだれなのかもわからない、ひとりぼっちのひよこ・・・?「このコのおうちをさがそう!」新しいなかまのために、すみっコたちはひとはだ脱ぐことに。
絵本の世界をめぐる旅の、はじまりはじまり。
ナレーション:井ノ原快彦、本上まなみ
原作:サンエックス 監督:まんきゅう 脚本:角田貴志(ヨーロッパ企画)
美術監督:日野香諸里
アニメーション制作:ファンワークス
©2019 日本すみっコぐらし協会映画部
【映画レビュー】『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』は本当に“逆詐欺映画”? 「大人も泣ける」と話題沸騰のアニメーション映画を観に行ってきた!
【今日の映画公開スタート】井ノ原快彦、V6メンバーはすみっこ好き!?「センターが嫌いなのかな?」本日11月8日(金)公開の『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』の完成披露試写会で