劇場公開のアニメ―ション映画を中心にお送りしている映画のレビュー/感想記事。20回目となる今回は、「プリキュア」シリーズ16作目の単独劇場作品『映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』をご紹介します。
『スター☆トゥインクルプリキュア』(以下「スタプリ」)は2019年2月から放送されているプリキュアシリーズ最新作となるTVアニメ。
“宇宙”をモチーフにしたプリキュアである「スタプリ」には、シリーズ初の異星人プリキュアが登場。プリキュアたちは宇宙の均衡を保つプリンセスの力を解放するため、スターカラーペンを集めるために様々な星を訪れます。また、星ごとに多様な習性や考え方を持つ異星人が登場することで、それぞれの生き方を尊重する“多様性”の肯定と、それを可能にする“イマジネーション”がテーマとなっています。
そんな「スタプリ」の劇場版最新作が『映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』。主人公・星奈ひかる/キュアスター(CV:成瀬瑛美)と、サマーン星出身の異星人・羽衣ララ/キュアミルキー(CV:小原好美)のもとに、不思議な生き物・ユーマがやってきます。
言葉が通じないユーマに振り回されながらも、少しずつ絆を育んでいくひかるとララ。しかしユーマを追って、悪の宇宙人ハンターが出現。ユーマがハンターに追われる理由とは? ユーマを守るため、プリキュアが立ち上がります。
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友情や愛情、出会いや別れといった、大人から子どもまで感動できるストーリーが描かれることの多いプリキュアの映画。本作でも「新たな友達との出会いと別れ」が描かれます。
最初はこんぺいとうのような姿かたち、大きさでひかるとララの前に現れるユーマですが、みるみるうちに成長。好奇心旺盛なひかるはすぐにこの不思議な生き物との距離を縮め、親しくなります。一方でララは、言葉によるコミュニケーションが取れない上、勝手な行動ばかりのユーマに、最初のうちは苛立ちを隠せない様子。そんなララをユーマも警戒します。けれどララがユーマの感情表現を理解しようと歩み寄ることで、徐々に仲良しに。
たとえコミュニケーションが上手く行かない相手でも、自分との違いを受け入れて、相手の気持ちを理解しようとする姿勢は、きっと相手にも伝わる。TVシリーズ本編のテーマにもなっている「多様性の肯定」は、この映画でも丁寧に描かれます。
そうして絆を深めていくひかる、ララ、ユーマ。しかしユーマは、いつまでもひかるやララと一緒にはいられないことが明らかに。その事実を知ったときのひかるとララの対照的な反応に注目です。仲良しの友達とはずっと一緒にいたい。けれどそれは本当に友達にとって良いことなの?
宇宙船で、宇宙の様々な場所に自由に行き来できる「スタプリ」で「切ないお別れ」が描かれるのはこれが初めて。出会いと別れを通してひかるとララがどんなふうに成長するのか、多くの方に見守っていただきたいと思います。
プリキュアは未就学児童も視野に入れた作品であることからか、視聴者に伝えたいメッセージは分かりやすくキャラクターの台詞として発せられることが多いシリーズでした。今回の映画では、そこに少し変化が見られます。
ユーマは言葉を話せませんが、その分、仕草や顔にある模様の変化で感情を表します。対するララたちも、言葉ではなく、行動で愛情を伝えるようなシーンが多く用意されていました。さらにクライマックスでは、ユーマがひかる、ララとの思い出をどれほど大切にしていたか、言葉にせずともハッキリと分かるある演出が…!
ひかるやララとユーマが、言葉が通じずとも分かり合えたように、きっと映画を観ている子どもたちもユーマの気持ちを分かってくれる。これらの演出は、そんな子どもたちのイマジネーション(想像力)を、つくり手が信じているからこその演出だったのではないかと思います。
もうひとつ、ひかるとララが、ユーマと気持ちを伝え合う手段としてカギとなるのが、タイトルにも用いられている「うた」。言葉の意味は分からなくてもメロディに乗せた気持ちは、お互いに伝わります。映画のエンディング主題歌にもなっている「Twinkle Stars」が流れるシーンでは、それまでユーマたちが過ごしてきた日々を思い出し、目から少し温かいものがこぼれてしまいました…。
●映画エンディング主題歌「Twinkle Stars」
ひかる、ララ、そしてユーマの3人の関係性が深堀りされることとなる本作。けれど天宮えれな/キュアソレイユ(CV:安野希世乃)、香久矢まどか/キュアセレーネ(CV:小松未可子)、ユニ/キュアコスモ(CV:上坂すみれ)も、しっかりと活躍の場が用意されています。5人がそれぞれの能力を活かして宇宙人ハンターと戦う、迫力の戦闘シーンは見応え抜群! 星座のちからを駆使して行うフォームチェンジも、どれも魅力的なデザインで、戦闘に彩りを添えてくれます。
『映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』は、万人におすすめできる感動作です。映画が終わったとき、きっと温かな気持ちになり、笑顔で映画館を出ることができるはず。スタプリファンはもちろん、爽やかに感動できる映画を探している方にも自信を持っておすすめします。
現在JOYSOUNDでは、『映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』のキャストサイン入り映画ポスターほか、スペシャルグッズが当たる「プリキュア×JOYSOUNDコラボキャンペーン」を開催中です。
=== プリキュア×JOYSOUNDコラボキャンペーン 概要 ===
◆実施期間:2019年10月15日(火)11:00 ~ 2019年11月24日(日)23:59
◆対象機種:JOYSOUND MAX GO、JOYSOUND MAX2、JOYSOUND MAX
◆参加方法:対象機種を導入の店舗で「うたスキ」(登録無料)にログインの上、課題曲を歌唱し、特設ページの応募フォームから必要事項を記入することで、エントリー完了となります。
【課題曲】 北川理恵「キラリ☆彡スター☆トゥインクルプリキュア《アニメカラオケ》」、吉武千颯「パペピプ☆ロマンチック《アニメカラオケ》」
◆プレゼント:
特賞:キャストサイン入り映画ポスター …抽選で3名様
キュアスター/成瀬瑛美、キュアミルキー/小原好美、キュアソレイユ/安野希世乃、キュアセレーネ/小松未可子、キュアコスモ/上坂すみれ
A賞:スター☆トゥインクルプリキュア 変身プリチューム&アクセサリーセット キュアスター…3名様
B賞:スター☆トゥインクルプリキュア 変身プリチューム&アクセサリーセット キュアミルキー…3名様
C賞:スター☆トゥインクルプリキュア おしゃべりフワ…10名様
詳しくはキャンペーン特設ページをご覧ください。
2019年10月19日(土)より全国の劇場にて上映中!
上映時間:71分
【スタッフ】
原作:東堂いづみ
監督:田中裕太
脚本:田中仁
音楽:林ゆうき、橘麻美
総作画監督・キャラクターデザイン:小松こずえ
作画監督:松浦仁美、中谷友紀子
美術監督:今井美紀
CGディレクター:大曽根悠介
色彩設計:竹澤聡
撮影監督:高橋賢司
製作担当:澤守洸、井桁啓介
【キャスト】
成瀬瑛美
小原好美
安野希世乃
小松未可子
上坂すみれ
木野日菜
吉野裕行
知念里奈
咲野俊介
片桐仁
濱津隆之
石川由依
駒木根隆介
(C) 2019 映画スター☆トゥインクルプリキュア製作委員会