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【連載】遊び逃している名作ゲームはありませんか?『ロックマン11 運命の歯車!!』 / ゴールデンゲームハンマー第6回

『ロックマンクラシックスコレクション2』、『ロックマン8 メタルヒーローズ』の設定資料が閲覧できるミュージアムに”それ”は存在した。


明らかに最近書かれて間もない雰囲気を漂わせたこのイラスト。

何故、このようなものが。

その答えは、ほどなくして明らかとなった。


そんな訳で第5回に引き続き、第6回はシリーズで最も新しいロックマンこと『ロックマン11 運命の歯車!!』を紹介する。2018年10月4日、Nintendo Switch、PlayStation 4、Xbox One、PC(Steam)で発売された。Xbox One、PCはダウンロード専売となる。



本作は2010年に発売された『ロックマン10 宇宙からの脅威!!』以来、8年ぶりの新作。前作及び前々作『ロックマン9 野望の復活!!』は、ロックマンゼロシリーズ、ロックマンゼクスシリーズを手掛けたインティ・クリエイツによる制作だったが、今回はカプコン内製。ナンバリングシリーズでは『ロックマン8』(※番外編、リメイク込みなら『ロックマンロックマン』)以来、久々の純正ロックマンだ。


◆いつも通りで、現行路線の最新ロックマン


ゲーム内容もお馴染みのロックマン。横スクロールのステージクリア型アクションゲームで、射撃武器の「ロックバスター」で行く手を阻む敵を倒しながら、ステージ最後に待ち構えるボスの撃破を目指す、というものだ。攻略するステージを自由に選べるセレクト機能、ボスを倒すと手に入る「特殊武器」、それを特定のボスに使うことで大ダメージを与えられる「相性」など、シリーズお馴染みの要素も何ら変わらずそのまま。


ストーリーも世界征服を目論む悪の天才科学者「Dr.ワイリー」の野望を阻止すべく、ロックマンが立ち向かうという定番の内容。

しかし、今回のワイリーは大学時代に封印され、当時の学友である「Dr.ライト(ライト博士)」との対立のきっかけとなった”ある技術”を用い、戦いを仕掛けてくる。その技術が組み込まれた今回のワイリー率いる8体のボスロボット達は、従来のロックマンでは太刀打ちするのも困難なパワーアップが施されている。そこで……


ライト博士が秘密裏に保管していたワイリーの技術「ダブルギアシステム」の試作機をロックマンが組み込み、戦いに臨むという展開になる。つまり、今回操作するのはワイリーの技術を搭載したロックマン。その点では、いつもと趣が異なる。


そして、この技術こと「ダブルギアシステム」こそが今作初登場にして注目の新要素だ。簡潔に言えば、一時的にロックマンを強化する機能。超加速状態にして周囲の動きを遅くする「スピードギア」、ロックバスターを始めとする全ての武器の威力を強化する「パワーギア」の二種類があり、それぞれを状況に応じて発動させ、急な攻撃を安全に回避したり、強力な攻撃を繰り出して敵に大ダメージを与えられるようになった。だが、いずれも制限があり、専用のゲージが満タンになればオーバーヒート。クールダウンするまでの間、どちらも使えなくなるので、適切な運用が求められる。


また、ロックマンの体力が半分以下、窮地に追い込まれるとスピード、パワーの両方を発動させる「ダブルギア」が解禁。強力な「ファイナルチャージショット」を放てるようになる。ダメージ量も甚大で、ボス戦では形勢逆転の一手になることも。


このシステム導入により、過去のシリーズにも増して豊富な戦術を駆使したステージ攻略が楽しめるようになっている。反動でステージ中にもギアの使用を促す場面が増えているが、今回はワイリーの技術にワイリーの技術で立ち向かう「目には目を、歯には歯を」の設定。いずれも本システム特有の展開を生み出す、新たな試みとして描かれている。念のためだが、使用を促しても、絶対に使わなければいけない場面はない。全ステージがギア無しで攻略できる。だが、それには相当な習熟度が必須。なので今回は、一部の武器を縛るプレイの難易度も底上げされている。無理に初プレイ時で試そうとすれば、地獄を見るのでご注意いただきたい。合言葉は「ワイリーの技術には、ワイリーの技術を。」だ。


新システムのほか、復活したシステム(アクション)で「チャージショット」、「スライディング」がある。前々作の『ロックマン9』、前作の『ロックマン10』ではもう一人のプレイヤーキャラクター「ブルース」のアクションにされていたが、今回、ロックマンの基本アクションとして、久しぶりに復活している。


グラフィックも『ロックマンロックマン』以来の3DCG(※ただ、アニメ調の3DCGと厳密には異なる)。音響面も現行路線且つ、先の『ロックマンロックマン』、ナンバリングでは『ロックマン8』以来となるボイス演出も復活。

他にゲームボーイの外伝『ロックマンワールド4』にて初登場し、本編にも形をアレンジして逆輸入された「ネジ」なる換金アイテムを支払い、救済アイテムやパーツを購入するシステム、難易度選択機能も前作から続投。難易度は全三種類の前作から四種類に増え、シリーズ初心者からスペシャリスト級上級者まで手厚くフォローする。


総じて、いつものロックマンでありつつも、現行路線特有の工夫と新要素もふんだんに盛り込まれた新作に完成されている。まさに8年ぶりのシリーズ最新作にして、再起動を目的に作られただけにある内容だ。


◆本作の魅力:ロックマンの真髄「答えを探す面白さ」の追求




◇「答え探し」の醍醐味を突き詰めたゲームバランス

ロックマンシリーズの特徴と言えば、ボスを倒す度に得られる「特殊武器」だ。主にボスに使うのが推奨される装備だが、今回はステージの攻略においても大活躍。しかも、使い方次第で難易度が急激に下がるなど、大きな恩恵を得られるようになっている。


このため、今回は難所を楽にするのに最適な「答え」を探すのが過去にも増して楽しい。それに呼応するかのように、今回、ボスから得られる特殊武器はどれも使い勝手のいいものばかり。しかも「パワーギア」を発動させた状態で使うことで、画面内にいる雑魚敵を一網打尽にする力任せな攻撃まで可能になる。


そんな「ダブルギアシステム」も、「答え」を探す楽しさを引き立てるだけでなく、ここは使わないとダメなのかと思う場面が、実は無理に使う必要はなかったと後々になって気付くことも多々あり、プレイヤーの先入観をいい意味で潰してくる。


このような調整が図られているのもあり、今回はクリア後の周回プレイも楽しい。そして、プレイヤーごとに攻略スタイルに大きな違いが出る。それと同時に本作に用意されたステージの緻密な作り込みに気付かされるはずだ。


▲救済アイテムを買い込んで力押すのも一つの「答え」

◇見た目や演出は今風でも、”いつも通り”のロックマン

グラフィック、音楽は現代風、「ダブルギアシステム」なる新要素が組み込まれているが、中身はいつものロックマン。久しぶりの新作ということで奇をてらうことなく、昔と変わらぬ遊び心地、”難しいけど面白いアクションゲーム”を素直に突き詰めた作りは、往年のファンはもちろんのこと、アクションゲーム好きも唸ること間違いなし。


何より今回が”いつも通り”であることには極めて重要な意味がある。ロックマンシリーズは2011年夏に『ロックマンDASH3(仮)』が発売中止になって以降、長き冬の時代に突入。その間に過去のシリーズに携わったスタッフがカプコンから去ってしまう出来事が発売中止の前も含め、何度か報じられた。さらにロックマンの精神を受け継ぐ派生作がインディー界隈を中心に多く誕生し、幾つかは人気シリーズとして発展するに至っている。


今回のロックマンを作っているのは、新しい制作陣だ。果たして、ちゃんとしたロックマンが作れるのか。そのような不安が発売前から蔓延していたのだが、結論を言えば驚くほどいつも通りのロックマン。事前の不安を一蹴する仕上がりになっている。


もちろん、新システムの導入で難易度の味付けが少し変わっていたり、一ステージ単位のボリュームが増えている、操作感がいつになく軽快に改められているなどの変化もあるが、根っ子の遊びは過去の十作から変わらない。ストーリーも過去作をプレイしていなければ分からない描写はなく、シリーズのお約束でもある「ライト対ワイリー」の構図に着目し、掘り下げた内容になっているので、これからシリーズを始める人にも優しい。後述するが、難易度周りのサポートも充実している。


主に往年のファンに対しての魅力になってしまうが、本作が発売されるまでにあった出来事を辿れば、いかにそれが素晴らしいことであるのかがよく分かるはずだ。また、”難しいけれど楽しいアクションゲーム”であることがいつも通りなのも感慨深い部分。もし、そのようなアクションゲームをお求めなら、迷わず遊んでみていただきたい。


◇痒い所に手が届く操作性とインターフェース

グラフィックが3DCGになったとは言え、操作感は非常に軽快。

それでいて、現代風ならではの改良が豊富に凝らされている。

『ロックマン3』以降、難所を潜り抜ける時のお供になってくれるサポートキャラクター「ラッシュ」をワンボタンで呼び出せるようになったり、右スティックで特殊武器を瞬時に選べるようになったところはその象徴だ。


さらにNintendo Switch版なら「-ボタン」、PlayStation4版なら「タッチパッド」、Xbox Oneなら「ビューボタン」を押すと呼び出せるメニュー画面にも、ステージの攻略状況を問わず、ステージセレクト画面に戻れる(脱出できる)機能が。過去作ではクリアしたステージ以外、セレクト画面には戻れない仕組みになっていたが、今回はクリア関係なく戻れる。このため、今回は下見しながら遊ぶこともできる。


他にオプションにワンボタンで連射攻撃、スライディングを可能にする選択肢も用意されているほか、音楽に効果音、ボイスの音量設定も行える。前二作は意図した昔風だったため、操作性やインターフェース周りも旧態依然な設計だったが、本作はそこを一気に現代基準にしており、まさに”痒い所に手が届く”を体現している。


冗談抜きに、これに慣れれば過去作に戻りにくくなるほどだ。


◇幅広い難易度設定

特に今回初登場となる「NEW COMER」は、落下、トゲ接触によるミスを完全防止、チェックポイントも細分化、先の「答え」を突いた時の効果も増大と、ロックマンシリーズ未経験者に過剰すぎる程度に優しくしつつ、元々の魅力を損ねることのないバランスにまとめられている。過去の難易度選択機能を設けたロックマンには、簡単な難易度では最終ボスと戦えずに終わってしまうという、意地悪な制約が存在する作品もあったが、本作にはそれもなし。ちゃんと全難易度で最終ボスと戦え、勝てばエンディングを見られる。


落下、トゲ接触によるミス防止は「NEW COMER」以上の難易度でも、ショップ経由で関係するアイテムを買えばできる。有限式のため、使い切ってしまえば以降はミス扱いになるが、こう言ったプレイヤーの対策次第で難しさを加減できるのも、今回の難易度の幅広さを象徴している。地味ではあるが、それらのミスが防げるようになる理由付けをちゃんとロックマンの世界に存在しても不思議ではないアイテム、キャラクターで表現し、違和感を払しょくしているのも秀逸だ。


◆新たなる一歩を踏み出した蒼き英雄の今後を見逃すな!


ボリュームもエンディングまでなら、一周3〜4時間程度と短め。しかし、別モードで『ロックマンクラシックスコレクション』にインスパイアされた「チャレンジ」が用意されていて、様々なシチュエーションとルールを基にした遊びが楽しめ、それらを全てやり尽くすとなると大幅に増える。


また、クリア後には小さな30ステージを連続攻略していく「Dr.ライトシミュレーション」なるステージが「チャレンジ」内に解禁される。もし、四つの難易度をクリアしても物足りなさを感じているのなら、ぜひ、挑戦していただきたい。クリア後ならではの容赦ない高難易度、そしてワイリー以上に黒いライト博士を知ることになるだろう。


そんなライト博士、ワイリーの過去を掘り下げたストーリーも最小限ながら、要点を押さえた台詞、未来のシリーズに繋がるネタも込められていて、見応えがある。8体のボスを始め、敵キャラクター達の設定も掘り下げられていて、ギャラリーモードでは興味深い情報をセンス溢れるテキストと共に閲覧できるのもちょっとした見所だ。


ステージの長さと強力な中ボスの存在、導入部のハードルの高さなど、難点も少なくはないのだが、シリーズ再始動の一作目、難しくて楽しいアクションゲームとしての出来は盤石。これからの明るい未来への期待を抱かせる傑作に完成されている。


幾つかの大作、話題作とほぼ同じ日に発売された関係で、見落としていたり、或いは購入を後回しにしたプレイヤーも少なからずいるかもしれない。今からでも決して遅くはない。華麗なる復活を遂げ、新たな一歩を踏み出したロックマンの姿をぜひ、拝見していただきたい。そして、何度でも、何度でも、な・ん・ど・でも!遊び込んでみて欲しい。一つのアクションゲームとしての異様な練り込み具合にきっと驚かされるはずだ。


【ゲーム情報】

タイトル:『ロックマン11 運命の歯車!!』

発売元・開発元:カプコン

対応ハード:Nintendo Switch / PlayStation 4 / Xbox One / PC

ジャンル:アクション

価格:4,990円[税別](パッケージ版) / 4620円[税別](ダウンロード版)

関連リンク:

■カプコン公式サイト

■マイニンテンドーストア:商品&購入ページ(Nintendo Switch)

■商品&購入ページ:PlayStation 4版(PlayStation Store内)

■商品&購入ページ:Xbox One版(Microsoft Store内)


■GGH過去記事 一覧


■第8回『X-Morph: Defence(エックスモーフ ディフェンス)』

■第7回『キャンドルちゃん』

■第5回『ロックマンクラシックスコレクション1+2』

■第4回『Pixel Junk Shooter Ultimete(ピクセルジャンクシューター アルティメット)』

■第3回『シャンティ -海賊の呪い- for Nintendo Switch』

■第2回『レイマン レジェンド for Nintendo Switch』

■第1回『ザ・デッドヒートブレイカーズ』

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