こんばんは、小林白菜です。本日2019年1月25日(金)は劇場アニメーション映画『あした世界が終わるとしても(通称:あしせか)』の公開日。この作品の公開を楽しみにしていた僕は、さっそく鑑賞してまいりました! 今回はその感想を読者の皆さまにお届けしたいと思います。
■『あした世界が終わるとしても』作品概要
あらすじ
幼いころに母を亡くして以来、心を閉ざしがちな真。彼をずっと見守ってきた、幼なじみの琴莉。高校三年の今、ようやく一歩を踏み出そうとしたふたりの前に突然、もうひとつの日本から、もうひとりの「僕」が現れる――。
『あした世界が終わるとしても』公開直前PV
『あした世界が終わるとしても』は動画配信サービス「Hulu」にて公開されているCGアニメ『ソウタイセカイ』をベースにしたオリジナル長編劇場アニメ。主要キャラクターの名前も同じほか、梶裕貴さんや内田真礼さん、悠木碧さんなど、主要キャストの一部も共通しています。
監督・脚本を務めたのは櫻木優平氏。岩井俊二監督作品の『花とアリス殺人事件』や宮崎駿監督作『毛虫のボロ』にCGスタッフとして参加し、「日本アニメ(ーター)見本市」で公開された『新世紀エヴァンゲリオン』にインスパイアされた短編アニメ『新世紀いんぱくつ。』で監督デビューを果たした方。近年ではフジテレビの「+Ultra(プラスウルトラ)」にて放送されたTVアニメ『イングレス』の監督を務めています。『あした世界が終わるとしても』は櫻木氏の初となる劇場長編アニメ監督作です。
■魅力的な映像・アクションシーン、テンポ良く状況が変化する手に汗握る展開、ストーリーには若干の突っ込みどころも……
鑑賞を始めてまず感心したのはキャラクターたちのCGのクオリティの高さ。特に表情の変化はキャラクターたちの感情の機微が手に取るように分かり、とりわけヒロインとなる「泉琴莉(いずみ ことり)」はとても魅力的に描かれています。新宿の街並みの再現度の高さを筆頭に背景も美しく、CGのキャラクターととても良く馴染んでいました。
幼い頃、「突然死」によって母親に先立たれた主人公の「狭間真(はざま しん)」。彼らが生きる世界は僕たちの世界ととても良く似ていますが、年に10万人もの人間が「突然死」しているという点のみが大きく異なっています。
そんな中でも高校生活を営み、徐々に心惹かれ合っていく真と琴莉。無口で不器用な主人公と、彼に甲斐甲斐しく世話を焼き、好意を寄せてくれる清楚なヒロイン。ふたりの組み合わせはややありきたりで、個人的にはあまり好きではないタイプ。しかし真が美少女人型兵器に襲われ、彼を助けるために真と同じ顔をした少年「ハザマ ジン」が登場、そして「突然死」の原因となるあるSF的ギミックが明らかになってからは、次々と状況が変化していく手に汗握る展開に、心奪われてしまいました。「もうひとりの自分」がやってくる展開は『ノエイン もうひとりの君へ』、SF的ギミックは『シュタインズ・ゲート』などいくつかの作品のある設定を思い起こさせます。
後半では「突然死」を発端に動き出した邪悪な計画を阻止するため、真とジンは力を合わせることに。「人型兵器と感覚を共有した人間は高い戦闘能力を得る」という設定を活かした激しいアクションシーンが見どころです。なかなかに激しい暴力表現もあり、レーティングに配慮してか画面に直接は映さないものの、「これ直接映したらR-15だよね!?」と思えるようなものもありました。暴力表現が苦手な方でもおそらく大丈夫、お好きな方はなかなか楽しめるであろう絶妙な塩梅です。そんな激しいアクションが見慣れた新宿の街で繰り広げられるシーンは非常に新鮮。ここでもストーリーのテンポの良さは効果的に作用しており、退屈なシーンは存在せず、数秒で自衛隊が壊滅する展開や敵のある無茶苦茶な行動は、演出も相まってむしろ笑いを誘います(感じ方には個人差があります)。ほかにもキャラクターの心情の変化が少々強引だったりと突っ込みどころも目に付きますが、それも含めて魅力と感じる方ならば本作はきっと大いに楽しめることでしょう。
■『あした世界が終わるとしても』はこんな方にオススメ!
・美しい映像や3DCGが好きな方
・起伏が激しく何が起こるか分からない、ハラハラできるストーリー展開が好きな方
・多少ストーリーに粗があっても笑って楽しめる方
・恋愛展開が好きな方
・アクションシーンやSF(厨二)バトル物が好きな方
■映画『あした世界が終わるとしても』特報60秒 挿入歌:あいみょん「ら、のはなし」
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