「岡城千歳という優れたピアニストが、ぼくの曲を弾いたCDを作るという。習作時代の作品から最近のものまで網羅しているこんなアンソロジーはぼく自身も作ったことがなく、もちろん初めての試みだ。そして岡城はぼくより数段ピアノがうまいんだから、これ以上いいことはない。」
(坂本龍一、ライナーノートより『ピアノワークス1』)
「自分の音楽が違う衣装を着て、別な表情でぼくの前に現れたので、とても新鮮でした。」
(坂本龍一、ライナーノートより『ピアノワークス3』)
「坂本龍一作品を岡城千歳が弾くことで、坂本龍一自身が作曲し演奏する音源はたしかに『オリジナル』ではあるかもしれないが、唯一絶対で、動かせないものではなくなり、オリジナル至上主義を解放するものとなるだろう」
(小沼純一、ライナーノートより『ピアノワークス3』)
キングインターナショナル株式会社が、Chateauレーベル (ニューヨーク) の日本での正式輸入販売元に決定。岡城千歳トリビュートCD「坂本龍一ピアノワークス3」が11月20日に発売されます。
収録曲の一つ「ブリッジ」は、1995年秋冬プレタポルテ山本耀司パリコレクションのために作曲された、坂本龍一氏の30分のピアノ曲。“教授”のピアノ曲の中でも唯一無二の大曲で、その圧倒的な妖しい美しさにもかかわらず、彼自身のCDが入手困難なことも手伝い、教授ファンの間でも伝説的な幻の秘曲となっています。
これを弾くのは、ニューヨーク在住のクラシックピアニスト・編曲家・プロデューサーの岡城千歳さん。彼女の12枚のCDディスコグラフィは「驚くべきものだ。離れ業だ。仰天するようなピアノ演奏に触れたいなら聴いてみるべきだ」というニューヨーク・タイムズの批評を始め、「驚異的才能」「ただ者ではない」「型破りな才能」「驚愕の1枚」など数々のレビューを、世界中の批評家から300ページ以上にわたって寄せられてきました。
今回の新譜へ贈られた坂本龍一氏のコメントは、彼以外の演奏スタイルを作曲家自ら公式に承認したものとして、初出。
教授とニューヨーク・タイムズもその腕前を認めた岡城さんが、クラシック音楽を源にもつ教授のポップスを、クラシックの演奏スタイルで奏する、独自の解釈と表現を経た音楽は新たな美しさと遭遇し、教授の曲はポップスを超えてコンテンポラリークラシックとなる。クロスオーバーならではの醍醐味です。
また、岡城さんはこの新譜で「坂本龍一へのオマージュ、グレイテスト・アーティスト」という新曲を献呈しています。
アメリカのプロピアノレコードレーベルの看板専属アーティスト・プロデューサー・ディレクターとして活動していた岡城さんは「坂本龍一ピアノワークス1&2」、「チャイコフスキー《悲愴》交響曲ピアノ編曲」など数々のCDをクラシックのヒットチャートに送り込み、斬新な企画と、オーケストラのピアノ編曲ものを中心とした超絶技巧を駆使する彼女のレパートリーとで、ピアノマニアの間でカリスマ的存在となりましたが、その後独立。しばらくしてピアニストとしては活動休止に入り、今回の新譜『ピアノワークス3』が、彼女のピアニスト復帰第一弾となります。
活動休止期間中、音楽を故意に避け悩んでいた時期もあり、そんな時にいつも手元に置いて聴いていたのが「ブリッジ」だそう。困難を乗り越える勇気をくれた「ブリッジ」、それを自分なりに表現したいという特別の思いから、坂本氏に感謝と尊敬を込めてオマージュの新曲とトリビュートアルバムを捧げ、復帰第一弾とすることを決意。まず氏に相談し「主題と変奏」の作曲技法と曲の構想とアイディアを伝え、氏より編曲の許可を得、CD全曲を幾度も聴いてもらい、マスタリングの音質へのアドバイスなども受けながら完成。氏からライナーノートへの言葉が贈られたそうです。
岡城の旧譜「ピアノワークス1&2」では教授ファンからも熱い声が寄せられていた。
(アマゾン、カスタマーレビューより)
「教授の曲にピアノの技量は必要か?……私自身がピアノを弾けないので真偽もわからずその疑念をもったままいくつかの教授の作品を購入していた矢先にこのCDに巡り合いました。…岡城さんのパフォーマンスに圧倒されました。昔はサティーの摸写だと感じていた曲が輝きをまして、良い意味で他のクラシック音楽と同様な上質かつ畏怖を感じる作品にかわりました。その後本家のBTTBも購入したのですが、結局こちらもいいんですね。同時に例の疑念は消えました。そういう自身の感性に働きかけてくれたアルバムは過去になく、高く評価しています。」「岡城千歳という表現者によって、これまで作品を覆っていたガラスの曇りや汚れが拭き清められたことが分かる。そこで露になった部分もまた、坂本作品の真実ではないか。」「A Tribute to N.J.P.を聞いてキースジャレットは負けたなと思いました。Grasshoppersではチックコリアも完全に負けてます…演奏能力だけではない高い才能を感じるアーティストです。ピアノワークス1もそうなのですが教授とペダルの踏み方が異なっていてそこにキャラクターを感じます。」
桐朋女子高等学校、桐朋学園を経て、ジュリアード音楽院修士号を取得。マンハッタン音楽院プロフェッショナルスタディズプログラムにて、伝説的ピアニスト、アルトゥール・シュナーベルの息子、カール・ウルリッヒ・シュナーベルに師事。
才能豊か、大胆、かつ知的…岡城千歳は自らにそして自らのアートのこころに忠実なピアニストであり、新世代のピアノ演奏の救世主である。
ミシェル・ブロックーピアニスト
彼女のこの演奏は驚くべきものだ。彼女が余分な手のもう1本や2本隠し持っていないなんて信じがたい。離れ業だ……もし仰天するようなピアノ演奏にふれたいなら、聞いてみるべきだ。魅力ある色彩家。豪奢で荘厳な和音がきらきら光り、いくつもの渦巻きを描いていく。それはあたかも岡城の手がピアノの内部にあって音を彫刻し、前面に押し出しているかのようだ。素晴らしい……
(ニューヨーク・タイムズ紙)
岡城千歳の完璧なテクニックの熟達に対し、むじゃきにも口をぽかんと開けて畏怖の念に打たれ、座っているのみだった。
(アメリカンレコードガイド)
岡城千歳は驚異的な才能のあるピアニストである。自分でも全く驚いたことに、私は完全に圧倒されてしまった。……その上、それはリストのようなショーマンシップではないのだ、ただ赤裸々で恐ろしいまでの音楽的才能なのだ。……驚くほど大胆で、……驚くべき才能だ。
(クラシカルミュージック・オン・ウェブ、イギリス)
彼女の演奏は常に独特で全く並外れたものだ。素晴らしい。すごい、いったい手は何本持ってるんだろう?
(ファンファーレ、アメリカ)
全編に鬼気の迫ってくるような凄演に仕上がっている……これほどの緊張感と気迫をもってピアノで表現するとは!……やはりただ者ではない。驚愕の一枚。
(有線音楽)
その多彩で豊穣な音色のピアノの魅力で聴き手を引き付けてしまった技量は、並大抵のものではない。
(レコード芸術)
など、多くの評価を受ける
タイトル:坂本龍一ピアノワークス3、トリビュートアルバム In Appreciation & Admiration
演奏者:岡城千歳、ピアノ
発売元:Chateau (New York, USA)
販売元:キングインターナショナル株式会社
品番KKC-4149
価格:オープン価格
収録曲
1 Dear Liz
2青猫のトルソ
3坂本龍一へのオマージュ、グレイテスト・アーティスト
ハープ、チェレスタ、プリペアド・ピアノ、マリンバ、微分音のための「ブリッジ」のモチーフによる主題と変奏
4 ブリッジ - Music for Yohji Yamamoto Collection 1995
(1995年秋冬プレタポルテの山本耀司パリコレクション)
5 Loneliness from "The Sheltering Sky"
6 ゴリラがバナナをくれる日
7 Dream from "Lack of Love"
8 Yamazaki 2002
9 Career Girl
アメリカのクラシックピアノ専門レーベル、プロピアノレコードから「スクリャービン《法悦》ピアノ編曲版多重録音」「スクリャービン練習曲全曲」「ワーグナー超絶技巧編曲集」「チャイコフスキー《悲愴》ピアノ編曲」「坂本龍一ピアノワークス1&2」など、ピアノファン注目のリリースを相次いで発表していた岡城が、2002年自らオーナーとなってニューヨークに設立、立ち上げたレーベル。日本でヒットチャート入りしたシャトー旧譜、超絶技巧「マーラー《巨人》交響曲ピアノソロ編曲」「ビートルズ・ピアノトランスクリプション」の後、休止活動に入っていた。日本での輸入販売元が正式にキングインターナショナル株式会社に決定。旧譜・新譜ともに11月20日発売。
お問い合わせ先
キングインターナショナル株式会社 (輸入販売元・PR)
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電話(03)3945-2333(代表)