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大迫力写真満載! ドリフトレースの最高峰「D1グランプリシリーズ」の第6・7戦の激戦をお届け!:カーレース観戦の始め方第8回

ドリフトレースの最高峰、D1グランプリシリーズの2018年ラウンドもいよいよ大詰め! 第6戦と第7戦がD1グランプリの聖地・エビスサーキットで行われ、川畑真人がシーズン終了を待たずして単走王者に。


▲川畑正人とGReddy 35RX spec-D

横井昌志が初のシリーズチャンピオン載冠に王手をかけました。


▲横井昌志(前)とD-MAX S15 SILVIA 1号機

D1グランプリは、80年代、日本の峠や埠頭で生まれた、リアのタイヤを滑らせながら走る「ドリフト」をプロの競技としたもの。競技はドリフトの正確さやカッコよさ、最高速を競う「単走」と、トーナメント形式で近接バトルを行う「追走」があります。追走は、先行車両に後続車両がいかに近づけるか、が勝負ポイント。近ければ近いほど良いとされています。


▲追走では後追いのクルマ(写真左)がいかに前走車(写真右)に近づくかが勝負のポイント

■高低差を利用した「聖地」エビスサーキット

福島県二本松市から車で10分ほど山道を進んだ「東北サファリパーク」の中にあるエビスサーキットが今回の舞台です。


▲東北サファリパークの正門

ここが聖地と呼ばれるのは、ここで最初のD1グランプリが行われたから。名物は1セクターもしくは最終コーナーと呼ばれる場所で繰り広げられる「ジャンプドリフト」。


▲第1セクターはドリフトしながらジャンプ!

クルマが跳ねた後、2セクターに向けてドリフトしていく姿は圧巻です。


▲第2セクターは大きなコーナーで高速でドリフトをしていく

難所は2セクターから先、切り替えしのある2つのコーナー。


▲第4セクターからは、坂を上りながら小さなS字コーナーをクリアする


▲ゴール手前の第4セクター。ここが最も難しいそうです。

2セクターで高いスピードを維持しないと、残りの2つのコーナーをドリフトでつなげることができません。マシンのパワーとドライバーの勇気が試される、まさに攻略が難しいコースとなっています。


ちなみに、東北サファリパークから車で10分ほど山道を進むと、美肌の湯で知られる岳温泉が近くにあります。夜には地元の祭も行われているようです。


▲岳温泉の入り口

■「神の領域」川畑が第6戦・単走を決める

曇天模様で朝を迎えた土曜日。しかし時折強い日差しが照りつける蒸し暑いコンディションの中、朝10時に単走決勝の火蓋が切られました。

単走決勝で最初に高得点を叩き出したのはチャールズ・エン(Team TOYO TIRES DRIFT Do-Luck)。ダイナミックな切り返しを披露し97.98をたたき出します。D1グランプリは日本人選手だけでなく、海外の選手も参加しています。


▲チャールズ・エンと180SX(RPS13)

しかし、今回のエビスを得意とし、昨年単走優勝を飾った松井有紀夫(Team RE雨宮 K&M)と愛車FD3Sが、117.9km/hと他を圧倒する速度で99.46とほぼ満点に近い得点をマーク。


▲松井有紀夫とRX-7(FD3S)

これで勝負あったかに見えたのですが、ここまでシーズンの単走4連勝の川畑真人(TOYO TIRES GLION TRUST RACING)が名物のジャンプドリフトのある第一セクターから思い切りよく飛び出し、そのまま2セクターへ侵入。ダイナミックで鋭い切り返しのドリフトで99.66を叩き出し勝負を決めました。


▲川畑正人

勝った川畑選手はインタビューで自らが神の領域にいると豪語するいっぽう「エビスは苦手で練習したかったけれど忙しくてできなかった。だから1年ぶりで自信はなかったけれど、何とかとることができました」と語っていました。


▲レースクイーンと川畑正人

■雨のよる混乱の中、小橋正典がD1初優勝!

8月25日12時から開始した追走トーナメントは、好天だった午前中とは一転、雨が降ったり止んだりという気まぐれの天気の中で行なわれました。路面はダンプ状態で大変滑りやすく、ゼブラゾーンにタイヤを乗せると、あっという間にスピン。まるで氷上でドリフトするような状況。各選手はこの路面に苦労します

最初に餌食になったのは昨年のディフェンディングチャンピオン藤野秀之(Team TOYO TIRES DRIFT WISTERIA RACING)。


▲車を当てられてスピンする藤野秀之

ベスト16戦で対戦相手の北岡裕輔(TEAM MORI パーツオフ)がスピードコントロールできず藤野をプッシュ! 北岡はフロントバンパーを破損する程度で復帰したのですが、当てられた藤野はドライブシャフトにダメージを負いリタイア。

次の餌食は、高橋邦明(GOODYEAR Racing Team Kunny'z)。先行する内海彰乃(DIXCEL TOYO TIRES)が縁石の乗ってスピン。


▲(キャプ)内海(左)と高橋(右)

それに引きづられて高橋もスピンした際、リアにダメージを追ってしまい走るのがやっとの状態……。

さらにベテラン上野高広(TEAM VERTEX DIGICAM)が対橋正典(YUKE'S Team ORANGE)戦でスピンし敗退。


▲上野(左)と小橋(右)

そして単走2位通過の松井も対チャールズ戦でジャンプドリフトをした際に姿勢を乱し、2セクターでドリフトをすることができず。これがペナルティとなり、まさかの敗退。


▲姿勢を乱す松井(写真後)


▲第2セクターでドリフトができずインカットする松井

ベスト8戦では、川畑の左フロントタイヤにめがけて北岡ミサイルが炸裂。


▲川畑(写真奥)の左フロントタイヤに北岡(写真手前)のフロントが接触

ペナルティにより川畑の勝利かと思いきや、攻撃された影響か後追い時に川畑が1セクターで北岡に接触。これにより北岡が勝利。


▲姿勢を乱す川畑(写真奥)


▲川畑のヒットにより、北岡(写真手前)のリアバンパーが外れかかっている

しかし、北岡は準決勝の対横井戦で、2セクターでドリフトが外に膨らみ車体後部を大きく破損。


▲アウトに膨らみタイヤバリアーに接触した北岡(写真奥)


▲リアの原型がほとんどとどめていない北岡のマシン

この日大暴れの北岡、無念のリタイアとなりました。

準決勝のもう1試合、末永正雄と小橋によるTeamORANGE同士による同門対決は、小橋が第3セクターの水たまりにのってスピン。


▲小橋(写真手前)がスピンし、それにつられて末永(写真奥)もスピン

これにより末永の決勝進出が決まったかに思えたのですが、末永の後追い時に第1セクター前でタイヤがホイールから外れるリム落ちが発生。


▲2本目。小橋(手前)と末永(写真奥)の戦い。この段階でリム落ちしていた

今年から適応された「リム落ちした場合は失格。その日のポイントの剥奪とリム落ち後の走行不可」というルールに基づき、末永はここで終了。小橋が決勝進出しました。

3位決定戦は、北岡は走行不能、末永は走行不可のため、単走の順位が適用され走行することなく末永の勝利。

決勝は小橋対横井。


▲小橋(手前)に対して、ジャンプ直後から接近する横井(後)

横井後追いの2本目、前走する小橋に対してビタビタに詰めていく横井は、第4セクターでオーバーテイクするかに見えたが、この際、小橋の左前にヒット。


▲第4セクターで横井が小橋に接触

ここで勝負が決まりました。


勝った小橋は「準決勝で終わったかと思ったのですが、末永さんには悪いですがラッキーでした。決勝で横井さんにぶつけられましたがマシンに問題はなさそうです。優勝した実感は……まだわかないですね」と混乱のレースを困惑した表情。


▲小橋正典。中学生の頃からドリフトをしていたという若者だ。

いっぽうの末永は「今夜は小橋先輩と呼ばせていただきます。リム落ちはルールなので仕方ないですね。今晩は祝杯と反省会になりそうです」と悔しさを滲ませていました。


▲末永直登。このエビスサーキットの従業員でもある


▲左から3位末永、1位小橋、2位横井

■夕方からは恒例のD1夏祭り開催

翌日の予選終了後、夕方から恒例行事のD1夏祭りが開催。レースクイーンが浴衣に着替えての「浴衣美人コンテスト」や、選手手作りの石窯焼きピザのふるまい、協賛スポンサーで地元に蔵を持つ奥の松酒造による甘酒のふるまい酒が行われました。


▲浴衣美人コンテストの様子


▲ピザを焼く様子


▲用意された甘酒。ちなみに価格は1本1000円ほど

その奥の松酒造ブースの前で、小橋は末永と川畑と共に初優勝の祝杯を挙げていたのですが、1杯飲んで作業に戻ろうとする小橋に対し、末永と川畑は「俺の酒が飲めないのか」と一言。ファンたちと一緒の酒宴は何時間も続きました……。


▲川畑、末永から酌を受ける小橋

ちなみに、今年の浴衣クイーンは2018 TEAM TOYOTIRES DRIFT GALSのえなーること、泉えなに決定。


▲浴衣コンテスト表彰式の様子

爽やかな青い浴衣の模様は、なんとタイヤのトレッドパターンとのことです。


▲浴衣コンテストで優勝した泉えな(右)と、同じTOYOのレースクイーンの山崎さとみ(左)

■最終戦を前に川畑が単走王に輝く

一夜開けての日曜日。午前中に単走決勝が開催されました。最初に高得点を叩き出したのはエビスを得意とし、人気アニメ「ガールズ&パンツァー」の痛車を駆る村山悌啓(PACIFIC RACING TEAM DUNLOP)。


▲村山悌啓

堅実な走りで98.34を出します。その後、この得点は破られなかったのですが、松井が最高速度119.1km/hでジャンプ! さらに2セクターから3セクターまで一気にドリフトが繋がり、100.22という満点超えを叩き出しました。


▲松井有紀夫

これで勝負ありに思えたのですが、またしても川畑が松井を上回る最高速度121.2km/hからの高速ジャンプから、2セクターと3セクターを強引につなげるダイナミックなドリフトを披露。4セクターを切り捨てても、前半で点数を稼ぐという作戦が功を奏し、単走今期6連勝を達成。シリーズ最終戦を残して今シーズンの単走王に輝きました。


▲川畑正人

勝った川畑「前日の単走優勝した時は、ちょっとミスがあって気持ち悪かったのですが、今日は思い通りに走ることができました。自分は追い込まれて力を発揮するタイプだと思っていまして、かなり追い込まれていたからこそ、達成することができたと思います」と喜ぶいっぽう、


▲川畑正人

2日連続で破れた松井は「昨日は点数も低かったので抜かれるかと思っていた。でも今日は気合を入れて攻めたし、満点超えだったので獲ったと思っていました。だからすごく悔しい」と唇を噛み締めていました。


▲松井有紀夫

■横井が今期3勝目を挙げてチャンピオンシップに王手

午後から行われた追走トーナメントは、路面がドライということも影響してか、前日とは異なる激しい接近戦が繰り広げられました。ベスト16戦での見どころは小橋VS藤野。


▲藤野(前)、小橋(後)

両者共に超高速ドリフトを慣行。その中で先行して逃げる藤野に対して小橋が常に同じ角度で付いていき、1.5ランクのアドバンテージ。小橋先行の2本目で藤野はピタリとつけていき1.5の差を巻き返す。通常だとベスト16戦でイーブンの場合、ランク判定が適応され藤野の勝利となるのですが、合計ランクが34ポイントを超えていた為に再戦。2本目、後追いの藤野が小橋を捉えて1ランク獲得し藤野の勝利。


▲藤野に離される小橋

チャンピオンシップを争う2名、横井VS末永では波乱が起きます。


▲末永(手前)VS横井(後ろ)

横井が先行の1本目、末永は1セクターの前で車を止めてしまいますが、横井はそのまま完走。


▲マシンをコースサイドに止めてしまった末永(右)

末永からスタートしてから最初の右のコーナーのタイミングが合わなかったからやり直しを要求しますが、スタート直後ではなく、ある程度距離を走ってからとの理由により審判団から棄却。ここでチャンピオンシップ争い2位だった末永は戦線から脱落。

北岡VS高橋の若手対決は激しいバトルでした。


▲北岡(左)、高橋(右)

北岡は昨日、マシンが大幅に壊れる暴れっぷりをみせたのですが一晩で見事に修理! 普段から共に練習をしているという2人の互いを信じた熱い戦いは、観客を沸かせました。そして北岡が後追いの2本目。ジャンプドリフトからビッタリつける状態。高橋も逃げを図るが、差を広げることができず北岡が勝利。この日の北岡、いい意味で暴れていました。


▲高橋(手前)に北岡がジャンプしながら急接近

この熱いバトルはベスト8の他の選手にも飛び火。田中省己(SEIMI STYLE DRIFT TOYO TIRES)VS川畑は、先行する川畑に対して後追いの田中が最初からビタビタに付けてアドバンテージを取ります。


▲川畑(前)に近づく田中(後)

これに川畑のスイッチが入ったようで後追いで応酬しイーブンに持ち込み再戦。川畑先行時、田中がジャンプ直後に川畑の側面に追突し、田中はフロントバンパーが大きく破損したいっぽう、川畑は足廻りを再調整して事なきを得ました。


▲接触後、そのままドリフトを続ける田中

すでに4ランクのアドバンテージがあった川畑は普通に走行するだけで勝ち進みます。

また、松井VS末永正雄(TOYO TIRES GLION TRUST RACING)では、松井先行に対して末永が1セクターに入る前から接近しすぎて松井を側面からプッシュし、FD3Sのサイドステップが外れてしまう事件が発生。


▲スタート前に追い越してしまった末永(左)と、サイドステップが外れた松井(右)

これが松井に対する走路妨害となり末永にマイナス3ランク。2本目は松井が危なげなく走りきり準決勝にコマを進めました。

準決勝は川畑VS藤野というTOYOタイヤ同士の戦い。川畑が先行の1本目、もの凄いスピードで藤野を引き離しにかかるのですが、その際にインカットを2回行いペナルティで2ランクダウン。


▲藤野との戦いでジャンプしながらインカットをした川畑

これが最後まで影響し、藤野が久々の決勝進出を果たします。

もう一組、横井VS松井は横井が先行の2本目で松井を振り切り勝負あり。ファイナルへと進出しました。


▲横井(手前)に離される松井(後)

■決勝を前にまさかの降雨!その雨が波乱を呼ぶ

3位決定戦、そして決勝を前にして突然の天気雨がエビスに降ります。路面は氷上のように滑るダンプコンディションに変貌。各チームはセッティング変更を余儀なくされます。

3位決定戦は松井VS川畑。


▲松井(前)VS川畑(後)

ここで後追いの松井が川畑に吸い寄せられるように差を詰めて1ランクのアドバンテージ。それを受けての2本目、川畑がジャンプドリフトで姿勢を乱して失敗。これにより松井の3位が決定し、単走でのリベンジを達成。RE雨宮の代表でチューニング界の大御所である雨宮勇美氏、通称アマさんも大喜び。


▲日本チューニング界の重鎮、アマさんこと雨宮勇美氏

天気雨がさらに強くなった決勝。藤野と横井は過去4回、それぞれ2勝づつのイーブン。サージタンクが破損し手負いの横井が滑る縁石に後輪を載せてスピン。


▲決勝の藤野戦でスピンをする横井(右)

藤野の好走もあり3ランクのアドバンテージ。ここで一気に有利になった藤野は、後追いできっちり自分の走りをして勝利。


▲決勝の2本目、横井(前)、藤野(後ろ)

しかし、2本目の走行後に後輪タイヤのビートが外れリム落ちしていたことが発覚。これが失格の裁定となり、横井の優勝が決まるというD1史上例のない逆転劇となりました。

優勝との話を聞いて横井は驚きを隠せない様子で「僕も筑波でビート落ちの経験があるので、それだけ攻めているということだと思います。審査席前までは勝ちが見えたのですがゼブラを踏んで(スピンをして)負けてしまったので、あとは気持ちよく走ろうと思いました。ありがとうございます」と困惑した表情。


▲優勝した横井

いっぽう藤野は「お疲れ様でした。結果、こういう事になって残念ですけれど、しょうがないです」と淡々とした表情で語った。


▲優勝を逃した藤野

これにより、横井はチャンピオンシップ争いで一気に有利な立場となる144ポイント。2位の川畑は123ポイントと21ポイント差で追いかけるが、次戦で川畑が優勝、かつ横井が13位以下、つまりベスト8まで勝ち進むと横井のチャンピオンが決定します。


▲左から3位の松井、優勝した横井、2位の藤野

次戦は11月3日(土)、お台場特設会場で行われます。人気選手「のむけん」こと野村謙さんのラストランもありますので、ぜひ脚を運んでみてはいかがでしょうか。


大会データ

■2018 EBISU DRIFT

8月25日 (土)  2018 GRAN TURISMO D1 GRAND PRIX SERIES Rd.6

8月26日 (日)  2018 GRAN TURISMO D1 GRAND PRIX SERIES Rd.7

場所:エビスサーキット南コース

次戦

■2018 TOKYO DRIFT

11月3日 (土) 2018 GRAN TURISMO D1 GRAND PRIX SERIES Rd.8

11月3日 (土) FIA Intercontinental Drifting Cup 2018 – 予選

11月4日 (日) FIA Intercontinental Drifting Cup 2018 – 決勝

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2018-08-30 12:00
栗原 祥光
2018-08-30 12:00
栗原 祥光
この記事のURL
https://startt.jp/article/2018/08/30/53734

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