このコーナーは、月に2回「東京中日スポーツ」に連載している「バカタール加藤の オヤジでもわかるゲームな話」を加筆・修正して、ゲーム初心者にゲームを紹介するゲームコラムです。
夜マック!バカタール加藤です。
はい、ということで夜マックのビッグマックはなかなかすごかったです。またやってほしいです。という話はさておき、今回はセガさんから発売された「北斗が如く」について紹介したいと思います。
「北斗が如く」は、あの「北斗の拳」の世界・物語を「龍が如く」のスタッフが「龍が如く」のゲームシステムを使って制作・表現したゲームです。ロゴをよく見ると「北斗の拳」と「龍が如く」の文字が両方書かれており、そのコンセプトはとても明快です。気持ちいいくらい明快ですね。
「北斗の拳」については、知らない人はほとんどいなそう、と思うくらい、有名な作品ですよね。’80年代のジャンプを代表する作品でしょう。また、アニメも大ヒットし、「お前はすでに死んでいる」とか、「ひでぶ」とか、さまざまな流行語も生まれました。現オジサンたちも、かつてはケンシロウのごとく、最低でも一度や二度は、友達の秘孔を突いて、「お前はすでに死んでいる」というセリフを発したことがあるんじゃないか、と思います。
そして、原哲夫先生の迫力ある、劇画タッチの絵(画)。(じつは、ファミ通1000号の記念企画で原先生にネッキ-の表紙を描いてもらったこともありました)とにかく、日本のマンガやアニメコンテンツを代表する一作品と言っていいでしょう。
一方、「龍が如く」。以前東京中日スポーツさんの紙面でもオヤジ向けゲームとして紹介したように、日本のゲーム業界では珍しい、ある意味では“異例”とも言えるような、完全に“大人向け”にターゲットを絞り込むことでコンテンツの価値を高めることに成功した、類まれな作品。しかもファンタジーテイストではなく、リアルな現代の日本の世の中をゲームとして表現し切る、ということはほとんどなく、この分野では「龍が如く」=いちジャンルと言ってもいいかもしれません。
ゲームの内容は、桐生一馬という伝説の極道が活躍する、大人向けのアクション・アドベンチャーゲーム(桐生一馬を演じるRPGと言ってもいいかもしれない)。本編のナンバリングタイトルは「6」まで続く人気シリーズで(「0」(ゼロ)もある)、それ以外にも伝説の剣士モノや幕末モノ等もあるが、いずれにしても、男の中の男の生き様を描いた、硬派なメインのストーリーが軸としてしっかりありつつ、ほかにもミニゲーム(バッティングセンター、キャバクラ遊び、ミニ四駆バトル…などなど)やおまけ要素が毎回満載の、アダルトなゲームファンに人気の定番作品です。
この「龍が如く」のスタッフが、自慢のゲームエンジン「龍が如く」エンジンを使って、「北斗の拳」の世界、キャラクターを見事にゲーム化した新作「北斗が如く」が3月8日セガからPS4で発売された、というわけです。
「北斗が如く」の主人公は、もちろんマンガやアニメ版「北斗の拳」の主人公ケンシロウ。当然ごとく、原作でおなじみのユリアやラオウ、シン、トキ、サウザーらが登場する一方、原哲夫さん原案のゲームオリジナルの新キャラクターも多数登場する。
マンガの原作と同じく、南斗聖拳の使い手・シンに敗れ、ユリアを奪われたケンシロウが、やがてユリアの噂を耳にし、荒野を彷徨い、奇跡の街と呼ばれる“エデン”へとたどり着く。そのエデンを舞台に、さまざまな死闘やイベントが起き、物語が進んでいく。その一方、エデンの周囲にある広大な荒野をバギーで駆け巡り、資材やアイテムを集めたり、レースゲームを行ったり、鉄骨のバッティングゲームをすることなども可能。
考えてみると、「北斗の拳」の主人公ケンシロウと「龍が如く」の主人公桐生一馬は、ともに欲望や暴力が渦巻く世界で、どんな悪や巨大な組織が現れようとも、自らの信念を貫きとおす。絶体絶命のピンチでも自らの拳ひとつで切り開いていく、そんな男が惚れる、男の中の男。そういう意味では共通点も多い。
そんなことを考えながら、俺も遊んでみたわけだが、大コンセプトの「北斗の拳」×「龍が如く」については、「龍が如く」のゲームエンジンというより、むしろ「北斗の拳」のために開発されたのでは? と思うほどしっくり。まったく違和感はなかった。
さらに町だけでなく、広大な荒野が追加されたことで、「街」の意味や見え方が変わり、ゲームプレイにメリハリが生まれたり、荒野を使った宝さがしやレースゲームが楽しめたり…と、ゲームとしてもより進化した構成になっている。
80年代に一世を風靡した「北斗の拳」は、「お前はもう死んでいる」や「秘孔を突く」、「ひでぶ」などの流行語や決め台詞を多数生み出し、日本のストーリーコンテンツ、キャラクターの在り方、マンガやアニメや歴史にも多大な影響を与えた、まさにエポックメイキングな作品なので、過去に何度もゲーム化されている。が、今回ほど、原作の魅力を世界観、キャラクター、戦闘システム、プレイ感、ミニゲーム、サイドストーリーなどにそれらの特徴的な要素を活かし切った作品はなかったと思う。
・北斗の拳とは?
少年ジャンプに連載されるやいなや、「お前はもう死んでいる」「3秒後に貴様は死ぬ」「あべし」「ひでぶ」など、様々な流行語を生みだした、ジャンプの看板作品で、80年代の日本を代表するマンガ、アニメ作品。北斗神拳の使い手ケンシロウの男らしさ、生きざまに多くの男性が影響を受けたと思われる。原作・武論尊、作画・原哲夫。
・ゲームのストーリー<プロローグ>
最終戦争により地球全体が荒廃した世界。永きに渡り受け継がれてきた一子相伝の暗殺拳、北斗神拳の伝承者・ケンシロウは、南斗聖拳の使い手・シンに敗北をし、最愛の婚約者・ユリアを奪われてしまうが、その後、再びの死闘を制し、復讐を果たす。だが、シンから告げられたのはユリアの死だった…。絶望のどん底に叩き落され、荒野を彷徨うケンシロウ。だが、ユリアが生きているという噂を耳にしたケンシロウは、その噂を頼りに、荒野の中に存在にする、奇跡の街と呼ばれるエデンへとたどりつくのだった…。
【 商品概要 】
商品名 : 北斗が如く
対応機種 : PlayStation®4
発売日 : 2018年3月8日発売予定
価格 : 通常版 8,390円(税別)
世紀末プレミアムエディション 11,390円(税別)
プレイ人数 : 1人
CERO表記 : D(17歳以上対象)
公式Webサイト : http://ryu-ga-gotoku.com/hokuto-ga-gotoku/
ポータルサイト : http://ryu-ga-gotoku.com/
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